-草木鳥獣伝- 西野陽一 日本画展
-草木鳥獣伝-
西野陽一 日本画展
2024年3月6日(水)→12日(火) 最終日は16時閉廊
絶滅決定種という言葉を初めて聞いた時、その言葉が放つ絶望感に衝撃を受けました。
アフリカの中央部に生息していたキタシロサイは、残された命があと三つとなり絶滅決定種となります。
生物の絶滅がこれほど頻繁に起きる時代は普通とは言えないでしょう。ですが私たちはそれを問題だと思いながら、たいていは「仕方がない」と受け流してきました。
怖いのは、消えていく命に次第に痛みを感じなくなってしまう未来ではないでしょうか。
四十年ほど前、佐渡のトキにも絶滅の運命が待ち受けていました。しかしトキには奇跡が起こります。保護活動に尽力されてきた方に奇跡と言うのは失礼かもしれませんが、三十年ぶりに訪れた佐渡で、冬空に舞うトキの姿を見て不思議な気持ちになったのは、やはり目の前の光景が奇跡に見えたからでしょう。
その姿に自己投影し、まだ諦めてはいけないと勇気をもらいました。
キタシロサイの最後のオスは老衰で2018 年に息を引き取ります。レンジャーに促され彼の岩のような体に触ったのはその二年前でした。その時、伝わってきた皮膚の温もりは今も残っています。
その温もりを伝えたいと願い、描き続けていきたいと思っています。
西野陽一
略歴
- 1954年
- 京都府に生まれる
- 1978年
- 京都市立芸術大学日本画科卒業
- 1982年
- 東京セントラル美術館日本画大賞展(以後2回、1回招待)
- 1997年
- 竜宮’97西野陽一展(髙島屋日本橋店他)
- 2001年
- ー鳥ー 西野陽一展(日本橋三越本店、大丸心斎橋店)
- 2002年
- 京都府文化賞奨励賞受賞
- 2003年
- アマゾン’03西野陽一展(髙島屋京都店他)
- 2006年
- 第19回京都美術文化賞受賞
ー密林行ー 西野陽一日本画展(日本橋三越本店、名古屋三越栄店)
- 2007年
- ー水の国ー 西野陽一展(松坂屋名古屋店、大丸京都店)
- 2008年
- 第26回京都府文化賞功労賞受賞
ネオ・ジャポニズム西野陽一展(アートフェア東京)
- 2009年
- 西野陽一新作展 ーささやかな鼓動ー(東美アートフェア)
Nihonnga・京(日本橋三越本店、’11~’14JR大阪三越伊勢丹巡回)~’17
- 2011年
- アマゾン’2011西野陽一日本画展(日本橋三越本店、JR大阪三越伊勢丹)
- 2015年
- 竜宮’15西野陽一展(髙島屋京都店他)
- 2017年
- 熟年ケニア西野陽一日本画展(日本橋三越本店)
- 2022年
- 京都市文化功労者
- 2023年
- 今昔風土記 西野陽一日本画展(日本橋三越本店)
- 現在
- 無所属
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