橋本直明展-絵画の根源的場所性について-
橋本直明展
-絵画の根源的場所性について-
2026年10月29日(木)→11月9日(月) 営業時間:10時〜19時 ※最終日は16時閉廊
絵画とは、イメージを定着させるための場所であると同時に、知覚そのものが少しずつ解体されていく「場(Site)」なのではないかと思っています。
これまで私は、ニコラ・ブリオーが提唱した「関係性の美学(Relational Aesthetics)」の実践に近いかたちで、地域アートの領域において、他者との協働や、そこから生まれる変化する関係性について考えてきました。
現在、その探求は、平面という二次元のグリッドへと移行しています。
しかし、根底にある関心は変わっていません。
かつて社会的なコンテクストへと向けていた視線は、現在では、絵画という自律した構造体と、それを見る鑑賞者とのあいだに生まれる、より小さな関係性へと向かっています。
この転向の中で、画面に介入する「マスキングテープ」は、イメージを貼り重ねていくコラージュ(構築)と、それを剥ぎ取っていくデコラージュ(解体)を同時に行うものとして、絵画の構造そのものに介入する行為となっています。
アクリル、油彩、転写のあいだに重ねられていくこれらの行為は、過去に行ったことを完全に消すのではなく、時間の中に遅延させながら画面へと残していくものです。
それは、過去の行為が画面の中に痕跡(Trace)として蓄積されていくことでもあります。
ここで扱われる風景や室内は、ひとつの確定した意味を持つものではありません。
それらは、見るという行為によってはじめて、その状態が決まっていくものとして存在しています。
量子力学における非決定性(Indeterminacy)のように、見る者の視線に触れるまで、ひとつの像として確定されることなく、いくつかの可能性のあいだを揺らぎ続ける。
私は、風景や室内をそのような曖昧な図像として配置しています。
本展「ART HUB NAGOYA」では、空間を「室内(プライベートな閉域)」、「風景(消費される開かれた表象)」、そして「記憶の断片」という三つの位相に分けて考えています。
ここに介入する「鏡」は、実際の空間を作品の中へと引き込みます。
鏡が映し出す反転した像は、見る者を単に「見る(Looking)」という行為から、その像の先にあるものを補おうとする「想像(Imagining)」の領域へと移していきます。
そこでは、作品と空間、見る側と見られる側の境界が少しずつ曖昧になっていきます。
本展は、イメージと空間、視覚と認識の境界線上に生じるエラーや違和感を通して、絵画が成立する根源的な「場所性」をもう一度呼び起こす試みです。
橋本直明
「室内の遠景」1620×2606mm
制作年:2026
素材:アクリル絵具、油絵具、シンナー、マスキングテープ、ラメ、
ラバーマグネット 、ウレタン樹脂、綿布、木製パネル
「風景になる時間」242×333mm
「景色の変わるところ」606×727mm
略歴
- 1982年
- 三重県伊賀市生まれ
- 2009年
- 東京造形大学大学院造形研究科修了
個展
- 2026年
- 「Layered Interior」個展 GALLERY KTO新宿 東京
- 2024年
- 「森の中の庭」個展 GALLERY KTO新宿 東京
- 2023年
- 「Get up!」個展 GALLERY KTO原宿 東京
「どこかのワンシーン」個展 美容室L'arte 東京
- 2022年
- 「うつす像」個展 BD Gallery 愛知
- 2021年
- 「エンディングロール/切り取られた形」個展 GALLERY KTO substitute 東京
「描き写す画面」個展 GALLERY KTO原宿 東京
- 2019年
- 「知らなかった時間」個展 ギャラリー楽風 埼玉
グループ展
- 2026年
- 「有楽芸術港」阪急メンズ東京1階 東京
「Reframing」GALLERY KTO新宿 東京
- 2025年
- 「高松芸術港」サンポート高松 香川
- 2024年
- 「SUMMER VACATION ART 100 〜100人の作家よる100のストーリー」 伊勢丹立川 東京
- 2023年
- 「クリスマスアート100」 伊勢丹立川 東京
- 2018年
- 「はるかな時のすきまで A plus viewing 02〜ephemeral/eternal」旧田中家住宅 埼玉
- 2017年
- 「貝殻は海をはかる」H∞L Gallery 青森
- 2016年
- 「大和デパート記憶と希望」 旧大和デパート 新潟
「美術と町巡り浦和」青山設計事務所 埼玉
- 2015年
- 「FEEL2015」 LEEK HOUSE 京都
「中之条ビエンナーレ 2015」 旧第三小学校 群馬
「Three pieces」 法然院 京都
アートフェア
- 2026年
- 「SEOUL ART SALON 2026」ソウル新羅ホテル 韓国
「ART FAIR TOKYO 20」東京国際フォーラム 東京
- 2025年
- 「ART365」大丸東京店 東京
「OSAKA INTERNATIONAL ART」大阪城ホール 大阪
「ART365」大丸松坂屋名古屋店 愛知
- 2024年
- 「アートフェアアジア福岡2024」福岡
「Dart2024」大丸札幌店 北海道
- 2023年
- 「クリスマスアート100」 伊勢丹立川 東京
- 2023年
- 「KOGEI Art Fair Kanazawa」ハイアットセントリック金沢 石川
「art KYOTO 2023」二条城 京都
- 2022年
- 「アートフェアアジア福岡 2022」ホテルオークラ福岡
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