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田渕俊夫 日本画展 -永遠の刻-

田渕俊夫 日本画展 -永遠の刻-

2026年2月2日(月)→10日(火) 営業時間:10時〜19時 ※最終日は16時閉廊

「旅立ち」、そして「帰路」。今展の出品作のいくつかに冠されたこれらの語句。
どこへ旅立ち、どこへ帰るのか。かつて、坂の上の角の煙草屋に行くのも旅、とエッセイで語った作家がありました。その伝で言えば、現代の人々は、移動がますます至便となるこの世界において、日々旅を繰り返しているようなもの、と考えられるでしょう。この慌ただしいサイクルのなかで、ふと田渕俊夫氏の作品に眼を留めてみる。その風景には、どこかしらに人間の営みを示す要素が散りばめられています。近づきがたい手つかずの自然と切り結ぶ、のではなくて、人の身近にある木々や水、光が、ある穏やかな諧調をもって、描かれます。
これまで永平寺や智積院における襖絵、薬師寺食堂の長大な壁画、大嘗祭のための屛風、など、歴史に残る仕事をものにしてきた田渕氏。また、大学教育の分野で、多くの後進の育成に尽力した功績も、広く知られるところです。
さらに、所属する日本美術院では理事長の責を担い、文化功労者、日本藝術院会員、2024年には文化勲章受章、と名実ともに現代日本画壇の中核であることに論を俟ちません。
しかし、それらの実績や立場に寄りかかることなく、60年を超える画業は、今なお静かに、着実に歩みを進めています。とりわけ墨だけの仕事は、高精細の画像で肉眼以上のものが見えてしまう今の時代に、あえて観る側に色彩を想像させるという、自身の画力を恃みとしながら一種の冒険的な新鮮味が感じられます。そして、物理的な移動のみに留まらず、氏がこれまで出会って心の裡に秘め続けていた風景の記憶を行きつ戻りつする「旅」を繰り返した軌跡が、今回の作品群に結晶した、と言えましょう。
誰しもが抱く胸臆の過去の情景へ、出かけては帰るしばしの「旅」のきっかけたらんことを大いに願って、ぜひご高覧たまわりますようご案内申しあげます。

大丸松坂屋百貨店

この度、「永遠の刻」と題した個展を開催して頂くことになりました。
2019年に同じテーマの「悠久の刻」と題した個展を開催してから6年になりますが、その間にコロナ禍が起こり、政治経済が異様な動きを示し、世界各地での悲惨な戦争や紛争での核の影、異常気象による地球規模の甚大な被害は今も続いていて、地球自体が破壊されてしまうのではないかと不安に思ってしまいます。しかし、あれほど酷かった猛暑も少しずつ収まり、足元では道端の小さな植物が可愛い実を付け、1センチほどの小さな蝶が涼しくなりかけた風に乗って舞っている姿を見かけると、無性に愛おしく感じてしまいます。
この小さな命をいつまでも見守っていける世界になってほしいものです。
そんな思いを込めて私なりの表現で絵にしてみました。ご高覧いただければ幸甚に存じます。

田渕俊夫

img1

「伏見稲荷」 20F

img2

「大仏殿遠望」20F

img3

「帰路の月」10F

img4

「春爛漫」10F 

img5

「旅立ちの朝」10F

img6

「夕暮れの刻」10F

略歴

1941年
東京に生まれる
1961年
東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻に入学
1967年
東京藝術大学大学院修了、修了制作「水」が大学買上げとなる
ナイジェリアに赴き、イバダン大学に10カ月滞在し、植物のスケッチに熱中する
1968年
再興第53回日本美術院展(以下院展)に「ヨルバの神々」を出品し、初入選
1970年
平山郁夫氏に師事する
愛知県立芸術大学美術学部の助手となる(1984年に助教授)
1982年
第1回日本美術院奨学金(前田青邨賞)を受ける
再興第67回院展に「流転」を出品し、日本美術院賞(大観賞)を受賞
1985年
東京藝術大学大学院美術研究科(保存修復技術)助教授となる
再興第70回院展に「叢叢讃歌」を出品し、日本美術院賞(大観賞)を受賞
日本美術院同人に推挙される
1988年
再興第73回院展に「緑風」を出品し、院展文部大臣賞を受賞
1990年
田渕俊夫展(愛知県小牧市・メナード美術館)
1992年
田渕俊夫展(自主企画による個展。銀座・アート・ミュージアム・ギンザ)
1993年
「昨日、今日そして明日へ 田渕俊夫展」(名古屋・松坂屋美術館)
1994年
再興第79回院展に「大地Ⅰ」「大地Ⅱ」を出品し、院展内閣総理大臣賞を受賞
1995年
東京藝術大学大学院美術研究科(文化財保存学)教授となる(〜2009)
1996年
大三島町立大三島美術館(現・今治市大三島美術館)田渕俊夫記念展示室を開設「開館10周年・田渕俊夫記念展示室完成記念 田渕俊夫展」(大三島美術館)
1998年
MOA岡田茂吉賞大賞を受賞
2000年
「ベトナム-バイクの音が聞こえる」(東京、黒部・セレネ美術館、大三島美術館)
2002年
大本山永平寺不老閣相見の間に「春秋」「雲水」各12面を奉納
2004年
鎌倉・鶴岡八幡宮斎館に襖絵「美しき大地」6面を奉納
2005年
東京藝術大学副学長に就任(〜2009)
2007年
『田渕俊夫画集 刻』(小学館)刊
2008年
「一瞬と永遠 田渕俊夫展」(パリ・三越エトワール)
智積院講堂に襖絵60面を奉納
「画業40年 東京藝術大学退任記念 パリ・三越エトワール帰国記念 田渕俊夫展」(東京、名古屋、福岡)
2009年
「智積院講堂襖絵完成記念 田渕俊夫展」(東京、大阪、横浜、名古屋、京都、大三島美術館)
2011年
「田渕俊夫-澄みわたる四季」(大阪・香雪美術館)
2012年
「いのちの煌めき 田渕俊夫展」(名古屋市美術館、渋谷区立松濤美術館、富山県水墨美術館、福島県立美術館)
2016年
日本美術院理事長となる
2017年
薬師寺食堂に御本尊の仏画「阿弥陀三尊浄土図」、壁画「仏教伝来の道と薬師寺」14面を奉納
2018年
再興第100回院展出品の「渦潮」が恩賜賞・日本芸術院賞を受賞
2019年
「悠久の刻 田渕俊夫展」(大阪、松坂屋名古屋店、大丸福岡天神店)文化功労者に顕彰される
大嘗祭のために「悠紀地方風俗歌屛風」を制作
2021年
「画業60年 田渕俊夫展」(日本橋三越本店)
2022年
旭日中綬章を受章
2023年
日本芸術院会員に任命される
2024年
文化勲章を受章
2026年
「永遠の刻 田渕俊夫展」(大阪、松坂屋名古屋店・上野店、大丸福岡天神店)
現在
日本美術院同人・代表理事(理事長)、日本芸術院会員、東京藝術大学名誉教授

来場予定日

※来場日時は変更になる場合がございます。時間によっては不在の場合がございます。

■期間/2026年2月7日(土)

■時間/13:00〜17:00

ギャラリートーク

■期間/2026年2月7日(土)

■時間/14:00〜

※諸事情により営業時間など変更になる場合がございます。詳しくは、アプリまたはホームページにてご確認ください。

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