山田伸 日本画展 -雪月花-
山田伸 日本画展
-雪月花-
2026年2月18日(水)→24日(火) 営業時間:10時〜19時 ※最終日は16時閉廊
目にはさやかに見えねども、と古の歌人が表現した、季節が変わりゆく気配。性能の進化を留めることなく、近年の気候の変容も相まって、外気との遮断傾向はより顕著となりつつある日本の住まいですが、特に都市部を生活の場とする人々にあっては、桜の花や新緑、紅葉、といった目に見える現象で季節の移ろいを感ずることが多いのではないでしょうか。
京都は洛北の自然に恵まれた地に居を構え制作を行う山田伸氏。その手になる作品は、現代の人々が頓着しづらくなっているであろう、折々の時ならではの趣ある空気感を精妙且つ濃密に漂わせています。
かつて「私は天使を見たことがないから描かない」 レアリスムを標榜した画家ギュスターブ・クールベは語り
ました。一方、山田氏の仕事はどうか。主役と思われるモチーフは存在を誇示せず、幽玄な空間のなかで密やかに佇む。むしろ主役を取り巻く見えない何物かをいかに平面に表していくか、そこに作画の主眼は置かれているように思われます。
「雪月花」と題された今展。人間も自然の一部であることに立ち返って、空気の流れに身を任せる。
その時々で感得される風情、これをおしなべての「雪月花」であり、山田氏の筆が志す境地。別に例えるならばそれは、「花鳥風月」における「風」、であるかもしれません。
また、薄塗りと称されることの多い作風ですが、その画面を改めて仔細に眺め渡すと、細かい粒子の絵具が実に丹念に重ねられており、むしろ「微粒子の厚塗り」と評することもできるでしょう。
この点に、氏の師匠である平山郁夫画伯との共通項を見て取れます。粒子の粗い、つまり色面としてはかなり厚みの出る絵具を多用した平山氏。一見厚塗り、薄塗りと対照的に映る両氏の作品ですが、表現したい対象について必然と判断される絵具を何層も重ねる、という行為は二人に通底し、師風は忠実に継承されていると言えます。平山氏は自らのテーマに即した量感を求め、片や見えないものを描くために、主張しない粒子の絵具を幾重にも山田氏は用いるのです。
四季のある国から、もはや「二季」なのでは、そしてその影響への懸念も言われる昨今。画材の物質性にも、モチーフや色彩の強さにも威を借ることなく、日本という風土で培われた画法の個性を最大限に発揮し、現代画壇において類まれな繊細さを醸成する氏の空間表現。
いま一度四季への思い新たにすべく、どうぞこの機会にご高覧くださいますようご案内申しあげます。
松坂屋名古屋店 美術画廊
雪は全てを包み込み白銀世界のみ見せて消えてしまう。凜とした光を放つ月も満ちては欠ける。花は咲き誇っては散る。
現状は移ろうものの美そのものは意識の中に留まり一層に豊かになっていきます。
時間の経過を大いに意識しながら、その中に存在する普遍の美を追究する。
絵画が絵画としてあり続けているのは現実を超えるものだから、と思っております。
この度、多くの方々に観て頂ける機会を設けて下さった関係者の皆様に心より感謝を申しあげます。
山田伸
「深閑」10F
「咲く」6M
「晩秋」10M
「乱舞」10P
「麗華」6P
「椿図」6P
略歴
- 1960年
- 宮城県に生まれる
- 1986年
- 東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻卒業
- 1988年
- 東京藝術大学大学院美術研究科日本画専攻修士課程修了
第2回青垣2001年日本画展入選
再興第73回院展初入選
- 1989年
- 第44回春の院展初入選
- 1991年
- 薬師寺中門仁王像彩色事業に参加
日本美術院院友推挙
- 1992年
- 飛騨古川町祭り屋台鳳凰台見送り制作
- 1994年
- 安土城天守閣障壁画再現事業に参加
再興第79回院展奨励賞受賞(以降第89、90、91、94、95、98、100、102回同賞受賞)
- 1995年
- 文化庁第29回現代美術選抜展出品
初音会(大丸心斎橋店)初音賞受賞
- 1996年
- 第1回東京日本画新鋭選抜展出品
個展(大丸京都店)
- 2000年
- 京都造形芸術大学美術工芸学科日本画コース助教授就任
個展(藤崎本店'05'07'10'13'17'21年)
- 2002年
- 京都日本画協会新鋭選抜展(京都文化博物館賞受賞)
- 2003年
- 第58回春の院展 外務省買上げ
- 2004年
- 第89回院展 奨励賞受賞
- 2006年
- 第61回春の院展 春季展賞受賞(62、72回同賞受賞)
日本美術院特待推挙
- 2007年
- 再興第92回院展 日本美術院賞(大観賞)受賞
第13回足立美術館賞受賞
- 2008年
- 京都造形芸術大学美術工芸学科日本画コース教授就任
第63回春の院展 奨励賞受賞(68、70、71回同賞受賞)
日本美術院奨学金(青邨賞)受賞
- 2009年
- 個展(日本橋三越本店、仙台三越)
- 2010年
- 21世紀展出品(~’15年)
- 2011年
- 土佐の紙に描く燦々会日本画新作展出品(~’17年)
- 2012年
- 山田 伸日本画展 -風韻- (東美アートフェア)
- 2013年
- 第二回前田青邨顕彰中村奨学会(中村賞)受賞
- 2015年
- 第70回春の院展 奨励賞受賞
- 2016年
- 創と造展出品(~19年)
個展(京都髙島屋、大阪髙島屋)
- 2017年
- 山田 伸日本画展-耀-(横浜髙島屋、日本橋髙島屋、高崎髙島屋)
式年遷宮記念神宮美術館特別展 出品
- 2018年
- 第73回春の院展 奨励賞受賞
土佐の紙に描く晴々会日本画新作展2018出品(~’25年)
- 2019年
- 日本美術院招待推挙
- 2021年
- 京都現代作家展vol.14による個展(京都府立堂本印象美術館)
日本美術院同人推挙
- 2023年
- 山田 伸展 日々を紡ぐ(日本橋三越本店)
現在、日本美術院同人、京都芸術大学美術工芸学科日本画コース教授、京都日本画家協会
来場予定日
※来場日時は変更になる場合がございます。時間によっては不在の場合がございます。
■期間/2026年2月21日(土)
■時間/11:00〜17:00
※諸事情により営業時間など変更になる場合がございます。詳しくは、アプリまたはホームページにてご確認ください。

