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2018.03.28


− 特集 –


ガラス芸術の最高峰 アール・ヌーヴォーの魅惑の世界

[「2018 アール・ヌーヴォー ガラスの世界展」 
2018年4月25日(水)→5月8日(火)開催]

松坂屋本館8階美術画廊で今回行われるのは、30年以上続く「アール・ヌーヴォー ガラスの世界展」。
様々な斬新かつ高度な技法で、ガラスの芸術を最高の域まで極めた作品の数々。近年ますます良質な作品が入手しづらくなるなか、入門者向けの小品から目の肥えたアール・ヌーヴォーファンを納得させる秀作まで、80数点が展示販売されます。

曲線的な美を表現する「アール・ヌーヴォー」

アール・ヌーヴォーは19世紀末にヨーロッパで生まれた新しい芸術様式。浮世絵を中心に日本美術の影響を受けたとされており、草花、鳥、昆虫など自然のモチーフを取り入れた装飾的なデザインです。アシンメトリーの波打つような曲線が特徴で、直線的で幾何学模様をモチーフとしたアール・デコとよく対比されます。

なかでもガラス作品は、光を通すことによって様々な表情を見せ、とても幻想的。ガラスの表面にガラス質の顔料を使って絵付けを行うエナメル加飾や、様々な色のガラスを何層にも重ねる被せガラスなど、多種多様な技法によって、質感やたたずまいがまるで違ってきます。アール・ヌーヴォーのガラス作品は、紀元前4000年からあるガラスの歴史がたどり着いた究極の芸術と言えます。

ガラスを芸術に昇華させた二大巨匠

アール・ヌーヴォーの巨匠として名を馳せたのがエミール・ガレ。素地に色ガラスのかけらを融合させるマルケットリーを始め、それまでにない様々な装飾技法を開発し、ガラス工芸に新しい風を吹かせました。
そんなガレの活躍に触発されたのが、オーギュストとアントナンのドーム兄弟です。風景画的な作品を数多く発表し、アール・ヌーヴォーを代表する工房となりました。ガレやドーム兄弟などが活躍したこの時期に、ガラス工芸は産業から芸術まで高められたと言われています。

今回の展示販売では、1880年代からガレの亡くなる1904年までに制作された、ミュージアムピースと呼ばれる貴重な作品が数多く集います。

ガレ 睡蓮文花器

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ガレ 睡蓮文花器 高さ:9.0cm 径:13.0cm(1898~1900年)

メインのモチーフである睡蓮と河骨の花をマルケットリー技法で表現し、レリーフ状に掘り出した(グラヴュール技法)作品。素地の中には渦巻き状に白色ガラスを溶かし込み、その線上に空気の泡を封入する技法(ヴュラージュ)が施されています。ガレが最高峰の技術を結集し、自然主義・象徴主義の深い境地を表現した逸品です。

ガレ 飛蝗文花器

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ガレ 飛蝗文花器 高さ:9.4cm 径:10.6×4.4cm(1900~1904年)

透明なガラスの素地に白と橙色のガラスを被せて、グラヴュールで飛蝗(バッタ)を彫り込んだ作品。白いガラスで表現されたタンポポ文様が層と層の間に挟み込まれ、独自の空間と絶妙な遠近感が演出されています。今にも飛び散りそうなタンポポの綿毛や、飛蝗の広がるはねの精妙な描写など、ガレならではの表現力が魅力です。

ドーム 桃花文花器

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ドーム 桃花文花器 高さ:26.5cm 径:14.0cm(1900~1910年)

黄、水色のガラス粉をまぶしてなじませて(ヴィトリフィカシオン)色を混じり合わせた素地に、エッチングという技法で桃の木を浮き彫りにした作品。ピンクの色ガラスで満開に咲き誇る桃の花を表現しており、まるで光の動きや変化を描いた印象派絵画のように見るものを惹きつけます。

展示会場には、ガレやドームの他にもパート・ド・ヴェールのルソー、ワルターや当時の高級店エスカリエ・ド・クリスタルで販売されていたものなど、バリアントに富んだ優品が並び、まるで美術館にきたような空間。ぜひ一度、足を運んでみてください。

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