Vol.31 『安永元年 上野店店内見取り図』を読み解く|松坂屋史料室
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松坂屋 史料室 企画展 Vol.31尾張藩の御用金調達、ならびに呉服御用をしていた現在の松坂屋の前身 「伊藤屋」が最大の消費地江戸に進出したのは明和5年(1768)。田沼意次が側用人として幕政の表舞台に登場した翌年のことになります。上野広小路にある「松坂屋」を居抜きで奉公人とともに4,516両で買い取り、商号を「いとう松坂屋」、商標を「いとう丸」に定めました。寛政年間(1789~1800)には門前町の地の利を生かして寛永寺御用を賜り、いくたびの江戸の大火、寛政・天保の改革、安政の大地震など天災や施政に翻弄されながらも、着実に地歩を固め江戸を代表する大店へと成長していきます。江戸時代の松坂屋上野店の繁栄ぶりを今に伝える肉筆の浮世絵が『安永元年(1772) 上野店店内見取り図』です。そこに描かれるのは、番頭、小供(丁稚)をはじめとした総勢77人の人々が、活き活きと仕事に励む、活気あふれる呉服店の様子です。売場番頭の名前を印した下げ紙がはためき、お客様と番頭の笑談する声や、小供たちの掛け声が聞こえてくるようです。今回の企画展では、『安永元年 上野店店内見取り図』を通して、江戸時代の呉服屋大店の商いや奉公人の仕事の内容とともに、松坂屋上野店の繁栄の様子をご紹介いたします。平成30年(2018)は、伊藤屋が江戸に進出してから250年の年になります。平成29年11月には、複合型高層ビル「上野フロンティアタワー」の竣工により新たに生まれ変わった松坂屋上野店。江戸時代の活気はそのままに、上野の街とともに歩みつづけます。平成29年11月25日(土)→平成30年2月20日(火) 休館日 : 1月1日(月・祝)『安永元年 上野店店内見取り図』を読み解く─呉服店奉公人の仕事─こども

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