Vol.50 松坂屋コレクション2022 ーYUKATAーゆかた展|松坂屋史料室
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白の木綿地に伊勢海老、ふ  ぐかつお河豚、鰹、蛸、鯛を散し、その上に全面網目模様を施した浴衣。多種類の型紙を駆使した贅沢なもので、網に掛かった魚を表した洒落たデザインです。白の木綿地に、家紋の三つ星紋は、オリオン座の中央に列する三星にちなんだもので、梶の葉紋は、諏訪神社の神紋で、本拠地に諏訪神社を勧請し信仰したことからと言われています。白麻の生地を、特徴的な筒袖仕立てにし、立湧模様と、肥前松浦家の家紋である三つ星と立ち梶葉を美しい藍色で表現。本染織品は、上流武家が好んで用いた清涼感あふれる麻地の湯帷子です。前期展示ゆ あみたこみつ ぼしかじたて わくあさ ぎ浅葱色の木綿の生地に、藍の型染めで亀模様の染織品です。横線模様は、朱の顔料を使用しています。つつ そで筒袖仕立てになっていて、こちらも蒸し風呂内で用いられたと考えられ、肥前松浦家のものです。ひ ぜんつつ そでひ ぜんかじ※2の麻との違いをご覧ください。会期 : 令和4年5月27日(金)→8月22日(月) 前期展示 : 5月27日(金)→7月14日(木)/ 後期展示 : 7月16日(土)→8月22日(月)7月15日(金)は休館日(一部展示替えのため)会場 : 松坂屋名古屋店 南館7階・松坂屋史料室入場無料 夏の風物詩のひとつ、「ゆかた」。「ゆかた」の語源は「湯帷子(ゆかたびら)」と言われています。江戸初期までは、今で言うサウナにあたる蒸し風呂を上流武家の人々は利用していました。蒸し風呂には全裸で入ることはなく、湯専用の肌着を身に着けており、この肌着として着ていたものが「湯帷子」です。 江戸中期以降、町風呂が一般化し、現在のように湯に浸かる入浴形式(湯浴)が主流になると、夏場には風呂屋の往復に加え、蛍狩りや夕涼みなどにも着用されるようになりました。そして、江戸後期より装飾的なデザインが増え、花火や夏祭りで重宝される夏の風物詩としての欠かせないファッションアイテムになりました。 今回の企画展では、松坂屋コレクションの中から、木綿の浴衣や湯帷子を紹介いたします。また、江戸のスタイルブックともいうべき雛形本なども展覧いたします。 当時の楽しく自由で大胆な雰囲気の浴衣から、和ならではのデザインと風情をお楽しみください。3.白木綿地立涌定紋入模様(江戸後期)松坂屋コレクション 20222.白麻地立涌定紋入模様(江戸後期)4.浅葱木綿地亀甲模様(江戸後期)-YUKATA-ゆかた展衣装1.白木綿地大漁模様(江戸後期)松坂屋 史料室 企画展 Vol.50

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