不思議な魅力で人生を変える名品
「ライカ」に出会おう
たや まりこ|フォトグラファー
今回のNAVIGATOR
たや まりこ
|フォトグラファー
ライカを扱う写真家として、雑誌や広告など幅広い分野で活躍中。 ライカ京都店では、ライカアカデミーの講師を務めている。
フォトグラファー
他とは一線を画すライカの魅力の秘密を探る
ドイツの老舗メーカーが生み出すカメラ界の名品「ライカ」。シンプルな構造で唯一無二の写りを追求するそのストイックさに世界中のファンが虜になる、そんなライカの秘密を探るとともに、写真によって広がる豊かな世界をご提案いたします。
とある写真展がきっかけで始まったカメラ人生
はじめてカメラに興味を持ったのは高校のとき。当時の先生や友人にカメラを持っている人が多く、徐々に写真を撮るようになっていきました。その後、ロバート・メイプルソープの写真展を観てその美しさに感動。今思えば、この時に写真家への道が始まったのかもしれません。
就職先の写真スタジオではアシスタントをしていて、その頃はまだ「写真って何だろう?」と思っていました。でも他の写真家と知り合っていくうちに、自分の作品を作りたいという欲が出てきて。その後32歳で独立することになりました。
現在は仕事で色々なものを撮っています。被写体との関係性を探るのがとにかく楽しいですね。人を写す場合は、相手がこちらを意識していない瞬間にシャッターを押して、ふとした表情を狙うことも。景色だと、そこにしかない空気感を撮るために試行錯誤を重ねます。
普段は雑誌や広告の仕事が多いですが、最近は日本国内の陶芸家を訪ねて、作家のポートレイトを撮影するという機会もありました。このように写真を通して自分の外にある世界に触れると、たくさんの発見があってすごく面白いんですよ。
“ライカ沼”にハマった理由
ある時、大切なクライアントのマーケティング担当の方に、京都の歴史的な建物を使ったラグジュアリーホテルをライカで撮ってみませんか?とご提案いただき、突然ライカSLシステムの一式をお借りしたことがライカを使い始めたきっかけです。手元に届いてから撮影までの1週間はライカに慣れるため、とにかく色々なものを撮りまくりました。本番の仕上がりを見た時、繊細な色表現や圧倒的な空気感を目の当たりにし「やっぱり他のカメラとは全然違う!」と確信しました。
そのご縁でライカ京都店へ通うようになり、また使いたいという思いの反面、いち写真家として他のカメラとの圧倒的な違いを認めたくないもどかしい気持ちもあり、しばらくはライカに想いを馳せる日々に。その後、毎年恒例にしていた海外旅行直前に買うことを決意しました。ライカSLのボディとバリオ・エルマリート SL F2.8–4/24–90mm
ASPH.というレンズを手に入れて出発し、行きの飛行機の中では夢中になってカメラ設定を触っていました。その旅行がきっかけで、どんどんライカの世界にハマっていきました。
決して使いやすいカメラではないのですが、「これじゃなきゃ撮れない写真がある」と思わせられるんですよね。個人的にはライカの魅力は、プライベートで取り組んでいる茶道の世界に通ずるものがあると感じています。慌ただしい日々の中でもお茶を点てるときは身の回りを整え、一呼吸おいて丁寧に…そのひと手間がいい時間と空間を作り出します。ライカもそれと同じ。便利じゃないものを手にしながら自分のやり方に想いを巡らせて整えていく手法は、不自由でありながら、見方を変えれば自由とも言えます。そういった体験も含めての価値を、ライカは私たちに与えてくれるのだと感じています。
ライカCLを街に持ち出して、写真の世界を広げよう
さっと出してすぐに撮れるのがライカCLの魅力
ライカSLを自分のカメラとして改めて使ってみて、やっぱりいい!と何度も感動しました。でも、ライカSLはサイズが大きくて旅をするにはちょっと大変。飛行機の機内やレストランなどの雰囲気のいいところでサッと写真を撮りたいタイプなので、コンパクトでどの空間にも溶け込めるライカCLはとても魅力的でした。実際に買って使ってみると、見やすいファインダーとオートフォーカスの素早さが相まって、街中のスナップを撮るのにすごくいい。そういった点でもライカCLはこれからカメラを始める人におすすめのライカですね。写真を上達させるにはとにかく枚数をたくさん撮ることが大事なので、どこへでも気軽に持ち歩けるコンパクトさが最適だと思います。
ライカを人生のパートナーに
日常を大きく変えるライカの写真たち
ライカを使う写真家では、日本だとハービー・山口さんが特に好きです。人と向き合い、しっかりとコミュニケーションをとりながら撮影をされる方で、その姿がかっこよくて。私もあんな風に撮影できたら素敵だなって。また、海外でいうとソール・ライターも大好きです。赤い傘の写真が有名ですね。好きな写真家は他にもたくさんいて、それぞれの個性はもちろん違うのですが、作品を見ていると不思議と世界観がつながっているような気がするんです。
私自身は、「写真って何だろう?」と思いながら過ごしていたアシスタント時代から、さまざまな経験を重ねたのちにライカの世界に出会ったので、その時から写真家としての新たなスタートを切ったと思っています。ものの見方も少しずつ変化し、好きな写真や撮りたい写真もどんどん変わっていきました。それでも先ほどお話しした写真家さんたちのことはずっと素敵だと思い続けているので、これからも背中を追いかけていきたいですね。
撮る人の思いが写るカメラ
撮る人の思いが写るカメラ
たやさんと同じように、ライカに魅せられた愛好家の方にお話を伺いました。
突然の出会いが導く新しい世界
ライカとの出会いは、たまたまライカのレンズが搭載されているスマートフォンを購入したことから始まりました。何気なく撮影した一枚の中に、光の豊かな表情が写し出されていたことに驚いたんです。その後ライカストアを訪れ、店頭に並んでいた限定モデル「ライカM10-P サファリ」に一目惚れ。好みのサファリカラーに背中を押され、思い切って本体とレンズ3種類を購入しました。
続いてライカMモノクローム、ライカSLに加えて多数のレンズを購入し、趣味であるバイクを撮ったり、街の風景を撮ったり。どんどんライカの世界にハマっていきました。コレクションの中で最も愛用しているのは、やはりライカMモノクロームですね。モノクロ撮影専用というストイックなカメラですが、色にとらわれず、被写体が持つ造形美に気付かせてくれるんですよ。現像してみると触れそうなくらいリアルな仕上がりで“これが空気まで写るということか。”と実感できます。
私の写真への興味を引き出してくれたライカは、カメラと呼吸を合わせ、ファインダーの向こうにある世界の本質を切り撮るような感覚で撮影ができる唯一無二の存在。そんな体験をくれるライカは、私の人生を変えてくれた名品といってもいいくらいです。これからもまだまだその魅力にハマっていきそうです。
今回は、写真との出会いを通じてライカの深い魅力についてお話ししました。世界中の写真家を魅了するライカにはどんな秘密があるのか、気になってきませんか?
次回は、ライカストアで働くスタッフの方との写真愛溢れる対談をお届けします。お楽しみに。
次回は1月下旬の更新を予定しています。
ライカ松坂屋名古屋店 松坂屋名古屋店 北館3階 TEL:052-264-2840
ご紹介したカメラは店頭でもお試しいただけます。
店頭またはお電話にてお問い合わせくださいませ。
たや まりこ MARIKO TAYA
株式会社カリテリンク代表。高校では漆芸、短大ではインテリアを専攻するなど幅広い素養を持つ写真家。大学卒業後は高校の頃から興味があった写真に関わるため、さまざまな現場でのアシスタントを経験。2003年に独立し、現在は京都を拠点に雑誌や広告、人物、花、料理、お菓子などを撮影している。自身の作品のみならず、クライアントワークの中でもライカを扱う写真家で、スタッフとの親交が深いライカ京都店ではアカデミーの講師も務めている。
※掲載品は2021年12月27日時点の取り扱い商品・価格です。商品の内容や価格は変更になる場合がございます。
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