vol.3

「本物」を教えてくれる
ライカの写りを体感しよう

たや まりこ|フォトグラファー

今回のNAVIGATOR

たや まりこ
フォトグラファー

ライカを扱う写真家として、雑誌や広告など幅広い分野で活躍中。 ライカ京都店では、ライカアカデミーの講師を務めている。

たや まりこ

フォトグラファー

ひょんなことから偶然ライカに出会い、知らず知らずのうちにその世界にどっぷりと浸かってしまったという京都在住の写真家 たや まりこさん。自身の世界観を反映させる作品撮りだけではなく、雑誌や広告などのクライアントワークでもライカを扱う彼女は幅広い分野で認められるライカ愛好家です。今回は全3回の連載で、「どんな人でもこのカメラに接すればその良さがわかる」と言われるライカの奥深い魅力について、たやさんならではの視点でお話しいただきます。

シャッターを切ればわかる、ライカの特別さ

今回は、実際にライカMシステムを使っての撮影レポートや、ライカストアの遊び心溢れるアフターフォロー、ドイツにあるライカの故郷「ライツパーク」訪問記など、盛りだくさんな内容でお送りします。ライカが持つ圧倒的な写りと、そのルーツを体感してみましょう。

空気ごと閉じ込めるとはこういうこと

ライカM10とライカM10モノクローム、数点のレンズをお借りして実際に撮影に行ってきました。やはりライカMシステムを使って思ったのは、圧倒的にかっこいい!ということですね。言葉で伝えるよりも実際に見てもらいたいので、今回は植物をモチーフにした、魅力が伝わりやすい2枚をご紹介します。
こちらはライカM10で花を撮影したもの。初めてマクロレンズを使いましたが、花に集まるミツバチになったかのような視点で立体的に被写体を捉えられることに驚きました。開花直後のような鮮やかな色彩で、今にも動き出しそうな1枚になりました。

ライカM10で撮影 使用レンズ:マクロ・エルマーM f4/90mm

ライカM10で撮影
使用レンズ:マクロ・エルマーM f4/90mm

こちらはライカM10モノクロームで撮影した、いきいきと生い茂る葉っぱたち。なんといってもモノクローム撮影専用のカメラなだけあって、光と影の濃淡がこれまでに見たことがないくらい繊細です。見るほどに奥行きを感じられ、一枚一枚の葉っぱが可愛く見えてきませんか?

ライカM10モノクロームで撮影 使用レンズ:アポズミクロンM f2.0/35mm ASPH.

ライカM10モノクロームで撮影
使用レンズ:アポズミクロンM f2.0/35mm ASPH.

最後に同じくライカM10モノクロームで広い空間を撮影したものをご紹介させてください。この場所は大きなビニールハウスのような建物だったのですが、その骨組みから床、壁面に写った光の影まで、とても繊細に写すことができました。そしてよーく見ると、写真下、真ん中のベンチに数名休憩されている方がいらっしゃったり。モノクロのスタイリッシュな世界の中にこういった団欒があると、そのギャップがおもしろいですよね。

前回の記事でもお話ししたように、ライカMシステムは一筋縄ではいかない部分があります。しかし実際に撮影してみるとその難しさがとても楽しく、時間があっという間に過ぎてしまいました。

ライカM10モノクロームで撮影
使用レンズ:ズミルックス M f1.4/28mm ASPH.

ライカM10モノクロームで撮影
使用レンズ:ズミルックス M f1.4/28mm ASPH.

前回の記事でもお話ししたように、ライカMシステムは一筋縄ではいかない部分があります。しかし実際に撮影してみるとその難しさがとても楽しく、時間があっという間に過ぎてしまいました。

とにかくファインダーを覗いてみよう

カメラのスキルアップを目指すなら、どこへでもカメラを持っていってとにかく撮ることが大切です。構図はどうやって勉強するのか、被写体選びはどうするのか、カメラを始めてすぐの頃はこういった疑問がたくさん出てくると思います。でも、こうすればよくなると一言で言えるコツはありません。上達の決め手はやはりどれだけファインダーを覗いたか。写真には正解がないため、撮る人が“なんかいい!”と思えるものを探すことが大切だと思っています。その積み重ねが「好きな構図」や、「得意な被写体」を形作っていくはずです。なんかいいな〜と思えるものを探しに、たくさんの写真を撮りに出かけてみましょう。

ライカM10でライカM10モノクロームを撮影した贅沢な一枚

ライカM10でライカM10モノクロームを撮影した贅沢な一枚

遊び心溢れるライカストアに行ってみよう

ライカを使っての撮影を終えて、東海地方唯一の直営店である、ライカ松坂屋名古屋店へ。スタッフの方からライカストアならではのお話を聞いてきました。


ライカを最大限に楽しんでもらいたい

たやさん:ライカ松坂屋名古屋店は初めて来ましたが、シンプルでとても入りやすいお店ですね。洗練された店舗の中にブランドカラーの赤が際立っていて美しいです。先ほどライカを使って外の風景を撮影してきましたが、こちらの店舗でも撮影会などのイベントが開かれていると聞きました。こちらでライカを購入された方は、どんなアフターフォローが受けられるんでしょうか?

スタッフ:ライカをご購入いただいた方と、これから使ってみたいという方向けのセミナーを毎月企画しています。色んな風景を撮れるよう、店舗から遠いところだと四日市の工場夜景まで行ったこともあります。基本的な使い方から、“こんな写真が撮りたい”というご要望に対して、おすすめの設定や撮り方のコツをお伝えしています。

たやさん:セミナーを毎回楽しめるよう、工夫されているんですね。そういった中ではお客さま同士の交流なども生まれていますか?

スタッフ:そうですね。例えば車好きのお客様同士でお話が盛り上がるなど、カメラ以外のことでも交流されている方もお見かけします。また、お客様が撮影写真をストアまで見せに来てくださることがあり、許可をいただいてそのデータを店頭PCに取り込んで他のお客様へご紹介することもあります。会社から支給される作例写真よりも、実際に使っているお客様の写真をお見せした方がより親近感を持ってもらえるように感じます。

たやさん:なるほど、気軽にお客様がお話しに来られる雰囲気を作られているというのは素敵ですね。店頭PCの中身もとても気になります。

スタッフ:気軽にカメラを見ていただけるよう、居心地のいい雰囲気づくりを心がけています。


ストアスタッフのとっておきの1枚

ライカを愛してやまないライカ松坂屋名古屋店のストアスタッフ。
今回は特別に、ご自身のライカで撮影したとっておきの一枚をお見せいただきました。

スタッフ:この写真は旅行先のヴェネツィアを歩いていた時に、路地の隙間にいた鳩を見つけて撮影したものです。路地の間を行ったり来たり飛び交っている数分間カメラを構え続け、ここだ、というタイミングでシャッターを切りました。絶妙な瞬間を収めることができ、高揚した気持ちになったことを覚えています。その後なんと海外のフォトコンテストで佳作をいただき、思い出深い1枚となりました。
現在私はライカM10モノクロームを所持していますが、こちらは当時使っていた初代ライカMモノクロームで撮影したものです。モノクローム機を持つ理由のひとつは、やはりモノクローム撮影に特化したストイックさに惹かれたということが大きいですね。もうひとつ挙げるとすると、初代からライカに入っている赤のブランドマークがなかったり、ボタンまで全部黒くしてあったりしてとにかく目立たないデザインが採用されていることです。こういったところもたまらない要素ですね。

ライカMモノクロームで撮影

スタッフ:この写真は旅行先のヴェネツィアを歩いていた時に、路地の隙間にいた鳩を見つけて撮影したものです。路地の間を行ったり来たり飛び交っている数分間カメラを構え続け、ここだ、というタイミングでシャッターを切りました。絶妙な瞬間を収めることができ、高揚した気持ちになったことを覚えています。その後なんと海外のフォトコンテストで佳作をいただき、思い出深い1枚となりました。
現在私はライカM10モノクロームを所持していますが、こちらは当時使っていた初代ライカMモノクロームで撮影したものです。モノクローム機を持つ理由のひとつは、やはりモノクローム撮影に特化したストイックさに惹かれたということが大きいですね。もうひとつ挙げるとすると、初代からライカに入っている赤のブランドマークがなかったり、ボタンまで全部黒くしてあったりしてとにかく目立たないデザインが採用されていることです。こういったところもたまらない要素ですね。

好きなモノのルーツを探る楽しさを

100年を超える歴史をもち、知れば知るほど好きになるライカ。ここからは、ライカ愛好家にとって憧れの場所であるライカの原点、ライツパークを訪問したときのことをお話しします。
数年前、冬の寒い時期に「ライツパーク」に行ってきました。ライツパークというのはライカの生まれ故郷のドイツ・ウェッツラーにある、ライカカメラ本社やミュージアム、ギャラリーなどが街の一角に集まったまさにライカの楽園のような場所のことです。

レンズや双眼鏡をイメージした造りの施設

当時一人でウェッツラーを訪れたため、不安と期待が入り混じりとてもドキドキしたことを覚えています。パーク内に一歩足を踏み入れると、あらゆる建物がライカを模した造りになっていて。ファインダーやレンズの形をした建物を見つけるたびに、この場所に来たんだという実感でうれしさが込み上げてきました。
ミュージアムにはライカの人気の高まりとともに世界中で作られた模造品を集めたコーナーがあったり、宿泊したホテルでは、廊下には著名な写真家たちの名言が刻まれ、お部屋の壁紙には昔のライカの設計図が描かれていたりとまさにライカづくし。さまざまな角度からライカが愛されてきた歴史を感じることができておもしろかったですね。

宿泊したライカホテルの客室

ウェッツラーの街並みを堪能したら、いよいよ本社の工場見学へ。なんと、親交の深いライカ京都店の店長が開発責任者の方を紹介してくださり、普段は入れないエリアを見ることができました。ライカの秘密がぎゅっと詰まった工場内では多くの場所が撮影NGのため、写真はありませんが、「ライカブランド」への強いこだわりを随所に感じられました。職人さんたちの繊細な手作業を目の当たりにして、よりいっそう写真と向き合いたい!と身が引き締まる思いでした。
ライカのルーツを探ることは、よりライカにハマっていくきっかけを掴むことにつながりました。いつかもう一度訪れてみたいです。

今回は、実際の撮影写真のご紹介からライカの原点である「ライツパーク」を訪れた時のお話まで、盛りだくさんな内容でお送りしました。全3回の連載を通じて、写真のおもしろさやライカの奥深さを感じていただけたでしょうか?この連載をきっかけに、私と同じように“ライカ沼”にハマる仲間が増えることを楽しみにしています!


ライカ松坂屋名古屋店 北館3階 TEL:052-264-2840

M型ライカの最新機種「ライカM11」を店頭でお試しいただけます。また、写真家として国内外で活躍する佐藤健寿氏の写真展示「MICROCOSM #japan」を開催中です。新製品「ライカM11」を携え、日本各地を独自の視点で撮り下ろした作品7点を展示しています。ぜひこの機会にご来店ください。

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たや まりこ MARIKO TAYA

株式会社カリテリンク代表。高校では漆芸、短大ではインテリアを専攻するなど幅広い素養を持つ写真家。大学卒業後は高校の頃から興味があった写真に関わるため、さまざまな現場でのアシスタントを経験。2003年に独立し、現在は京都を拠点に雑誌や広告、人物、花、料理、お菓子などを撮影している。自身の作品のみならず、クライアントワークの中でもライカを扱う写真家で、スタッフとの親交が深いライカ京都店ではアカデミーの講師も務めている。