vol.5

ワインを引き立たせる
お料理とグラスの奥深さ

中谷利恵|ワインエデュケーター

今回のNAVIGATOR

中谷利恵
ワインエデュケーター

外資系、日系エアライン国際線客室乗務員の経験を活かし、名古屋でワイン講座やチーズ講座の講師を務める。企業への出張ワインセミナー、トークショー、ワイン会などでも活躍中。

中谷利恵

ワインエデュケーター

ワインの本場、豪州、欧州、日系のエアラインで国際線客室乗務員として勤務後、ワイン&チーズエデュケーターとして活躍中の中谷利恵さん。現在は、豊富な海外渡航経験や現地での体験談を交えながら、各国を旅するように楽しく学べるワイン講座などを展開されています。 今回は全3回の連載で、大人のワインの愉しみ方を教えていただきます。

お料理とワイン、ワインとグラスの相性が香りや味わいを引き出す

今回はお気に入りのワインに合わせてスペシャルなコースを提供する、松坂屋名古屋店のイタリアンレストラン「アロマフレスカ」を訪問。ソムリエの主田さんにお料理とワインのペアリングの楽しさをご紹介いただくとともに、ナビゲーター中谷さんにワイングラスと香りや味わいの奥深い関係についてお話を伺いました。普段なにげなく使っていたワイングラスの特性を引き出すヒントを学んでみましょう。

思い出のワインであなただけのスペシャルディナーを

中谷さん:本日は私の思い出のワインに合わせてお料理を作ってくださったとのこと、ありがとうございます。今回いただくマリアージュコースとはどういったコースなのでしょうか?

ソムリエ:お客様にお持ちいただくワインに合わせて、当店がコースを組み立ててお出しするコースです。スペシャリテを多くメニューに加え、季節の食材やフルーツを使用した特別なディナーをお楽しみいただけます。

中谷さん:持ち込みのワインに合わせてコースを用意いただけるとは、嬉しいですね。今回は私の思い出のワインを2本ご紹介させてください。 1本目はイタリアの白ワイン「ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ」。ソムリエ資格を取得したばかりの頃に“スーパー・トスカーナ”のワインにハマっており、フライトのたびにトスカーナに出かけ、現地のワインを持ち帰っていたんです。退職後も日本のイタリアンレストランで見かけて飲んでみると、当時の現地の景色や空気感を思い出しますね。

ソムリエ:こちらはバランスの取れたワインですね。コースでは、アンコウをメインにしたお魚料理をご用意しました。アンコウをムニエルにして、そこに下仁田ネギとインゲン豆を加えサフランと貝のだしで炊いたものです。柔らかい食感の中にカリフラワーのフリットを取り入れて、食感のアクセントに。ワインがもつミネラル感、果実味がマッチして双方の風味を引き立てます。

中谷さん:わぁ、美味しい。プリッとしたアンコウとカリフラワーのフリットのさっくりとした食感の違いが楽しめますね。トスカーナの郷土料理に白インゲン豆の煮込みもありますから、このワインとの相性も抜群です。

白ワイン「ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ」にアンコウのムニエルをペアリング

中谷さん:もう1本はカリフォルニアの赤ワイン「オーパス・ワン」です。こちらはヨーロッパのエアライン退職時に記念として入社年のものを購入しました。先日、現役CAの友人が帰国した際に抜栓し、その熟成した深い味わいを楽しんだばかりです。

ソムリエ:オーパス・ワンはフルボディの赤ワインですので、コースではしっかりとした赤身のお肉を合わせました。フランス・シャラン地方の鴨胸肉のローストです。フレッシュ感をプラスするためにソースにクランベリーを使い、ゴルゴンゾーラチーズとじゃがいものグラタンを合わせてより深みを引き出しています。

中谷さん:こちらもとても味わい深いですね。フルボディの赤ワインと鴨肉にベリー系のソース。ボルドースタイルのワインには、やはり王道の組み合わせがよく合います。添えられたゴルゴンゾーラとじゃがいものグラタンも美味しくて、ワインが進みます!

赤ワイン「オーパス・ワン」に鴨胸肉のローストをペアリング

「オーパス・ワン」は選りすぐりの商品やサービス情報をご提案するプレミアムサイト「コネスリーニュ」にて 2月7日(月)~13日(土)の期間でお取り扱いしております(お申込みが限定数を越えた場合は抽選販売となります)。
それ以降は本館地下2階D&M CAVE(和洋酒売場)で販売しております。

※「コネスリーニュ」は大丸・松坂屋お得意様ゴールドカード、大丸お得意様ゴールドカード、松坂屋お得意様ゴールドカードのお客様にご利用いただけるプレミアムサイトです。

MENU Speciale

鰻とキャビア ジャガイモのフィルム

焼きタラバ蟹のインサラータ アロマフレスカ風

猪肉とフォアグラのテリーヌ 無花果のアクセント、ヴィンコットソース

燻製にしたカマスのスパゲッティ カラスミ、フルーツトマト

手打ちパスタ「タリアテッレ」牛肉のボロネーゼソース アッヴェリーノ産栗、秋トリュフ

アンコウのムニエル サフランのスープ 下仁田葱と白いんげん豆、カリフラワー

パッションフルーツのシャーベット

シャラン産鴨肉のロースト クランベリーと赤ワインのソース シャドークイーンとゴルゴンゾーラのグラティナート

お好みのドルチェ/食後のお飲み物

中谷さんの思い出のワインに合わせてご用意いただいたコースメニュー

ワインが主役のレストランを

中谷さん:特別マリアージュコースの他にはどんなコースがありますか?

ソムリエ:毎月メニューが変わる「ソムリエワインセレクション」がございます。一皿につきワインを1杯ご提供しておりますが、“おまかせで”と言っていただければ、お客様の飲める量やお好みにあわせてペアリングをご用意いたします。

中谷さん:一皿ごとにワインとのペアリングを楽しめるのですね。ところで、お店に到着した時から気になっていたのですが、入口にあるワインのディスプレイについてもお伺いできますか?

ソムリエ:こちらは実は当店のワインセラーなんです。見た目が華やかで、あまりに大きいためほとんどのお客様はディスプレイだと思われるのですが、実は庫内が約18℃に保たれているんですよ。お食事に合わせるワインは基本的にはソムリエがご提案いたしますが、こちらのセラーからお選びいただくこともできます。

アロマフレスカ入口に設置されているワインセラー

松坂屋名古屋店では、アロマフレスカのワインセラーと同じく上質なワインセラーのお取り扱いをいたしております。

〈ユーロカーブ〉ワインセラー
左:Pure-S-C-PTHF 税込616,000円
右:Revelation 税込1,056,000円 ※事前予約制。2月以降順次お届けとなります。

中谷さん:なるほど。ワイン好きにはたまらない光景ですね。お料理の盛り付け方や使用されているテーブルウエアなどと同様に、スタイリッシュなワインセラーもアロマフレスカさんのおもてなしへのこだわりを感じます。ソムリエをされている主田さんにとって、ワインとはどんな存在ですか?

ソムリエ:やはりワインの世界は知れば知るほど興味深いですね。お花屋さんに寄った時、飲食店からいい匂いが漂う街中を歩いている時など、何かあるたびに“今はこんなワインが飲みたいな”という思いが自然と頭に浮かびます。私にとってワインは人生の一部ですね。

マリアージュメニュー

お客様の持ち込みワインに合わせてシェフがお料理のコースを組み立てる特別メニュー。
税込15,000円

ソムリエワインセレクション

お料理とお好みに合わせた5〜7種のグラスワインをソムリエがご提案するコース。
5種 税込5,500円
7種 税込7,500円

今回のメイン料理で使用しているプレートは松坂屋名古屋店でお取り扱いがございます。
〈ロイヤルコペンハーゲン〉パルメッテシリーズ [松坂屋本館 6階] 

好相性のワイングラスでアロマにひたる

奥深きワイングラスの世界

アロマフレスカさんでもワインの種類によってワイングラスを変えていらっしゃいましたが、グラスの大きさや形状には大きな意味があります。人間の舌は、先端で甘味、舌の両脇では酸味、中央は旨味、喉のつけ根あたりでは苦味を感じる方が多いと言われています。それぞれのワインの特徴を活かし、美味しく楽しんでいただくために、様々な大きさや形状の異なるワイングラスがあります。
たとえば酸味が強い白ワインなどは、酸味を感じやすい方が多い舌の両脇を通らないように、グラスの口元がすぼまっています。赤ワイン用、白ワイン用といったワインの種類だけでなく、酸味やタンニンの違いによってそれぞれのぶどう品種ごとに形状の異なるワイングラスを造っているブランドもあります。

ここまではワインを楽しむための「味わい」のお話をしてきましたが、それに加えてとっても大切なのが「香り」。鼻風邪が治ったときに食事がとっても美味しく感じるように、香りは美味しさを感じる重要な要素の一つです。香りは味覚とも連動するため、先ほどのワイングラスの選び方に則って、デザインだけでなく、ワインに合ったグラスの選び方を考えてみてはいかがでしょう?

お好みのワインにぴったりのグラスを見つけたら、次はワインの量に注目してみましょう。注いでいただく正しいワインの量は、グラスの一番膨らんだ部分よりもやや下がベスト。特に赤ワイン用グラスだと入っている量が少なく映るため“もう少し入れたい”と思ってしまいますが、正しい量にするとグラスの中に香りを広げる空間ができて、より香りを楽しむことができますよ。

お好みのワインにぴったりのグラスを見つけたら、次はワインの量に注目してみましょう。注いでいただく正しいワインの量は、グラスの一番膨らんだ部分よりもやや下がベスト。特に赤ワイン用グラスだと入っている量が少なく映るため“もう少し入れたい”と思ってしまいますが、正しい量にするとグラスの中に香りを広げる空間ができて、より香りを楽しむことができますよ。

ワイングラスでワイン以外のお酒を味わう

ビールで考えるなら、サントリーのプレミアムモルツなどの香りを楽しむものには、口元が少しすぼまったチューリップ型のグラスがおすすめ。ベルギービールなど柑橘系の香りのフルーティなタイプには、丸めの大きいグラスが合いますね。香り豊かなお酒は、ワインと同じく①正しい量を注ぎ、グラス内に香りの空間を持たせること。②香りを溜めこむことができるよう、飲み口がすぼまっているグラスを選ぶこと。この2点を意識すると香りがより楽しめます。また、キリンの一番搾りやアサヒのスーパードライなど、ラガータイプには飲み口がまっすぐなものを選んでみましょう。そうすると喉にお酒が勢いよく流れ込むため、苦味を感じやすい喉元を刺激し、のどごしの美味しさを十分に感じることができます。

日本酒の場合は、例えば香りを楽しむ大吟醸なら、スタンダードな白ワイングラスがよいです。燗につけるような、お米の旨味を楽しむ純米酒の場合は、木樽の風味が強い白ワイン用の口元が横広がりになっているグラスを使ってみてください。

ワインの香りで、時にさまざまな場面を鮮明に思い出します。認知症の予防としてもアロマがいいと言われていますが、ワインの香りや味わいは、時間を超えて楽しい記憶を呼び戻してくれる。そういったところも、ワインの魅力の一つなのかもしれませんね。

〈イッタラ〉ウルティマツーレ スパークリングワイン ペア 税込8,140円[松坂屋本館 6階]

〈リーデル〉ファット・ア・マーノ カベルネ/メルロ 1客 税込11,000円[松坂屋本館 6階] 

今回は、お料理とワイン、ワインとグラスの奥深い関係と、知っているだけでワインの世界がグッと楽しくなるポイントをご紹介しました。ワインに興味がわいてきたら、まずはお気に入りのワインに合うグラスを1客選んでみることもおすすめですよ。
次回は、大丸・松坂屋のワイン販売を支えるスタッフをゲストに迎え、愛好家ならではのワインの楽しみ方についての対談をお届けします。お楽しみに。


次回は2⽉下旬の更新を予定しています。
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中谷利恵 RIE NAKATANI

国際線客室乗務員出身のワインエデュケーター。キャプランワインアカデミーWSET®認定講師。日本ソムリエ協会認定シニアソムリエ、チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル、WSET®Level3など多彩な資格を持ち、独自の視点でワインの楽しさや奥深さを伝えている。中日文化センター講師、コマンドリー・ド・ボルドー コマンドゥール。