I AM ME vol.1
私の背中を押す、新時代のファッション
河合利恵|セクシュアリティ講師
今回のNAVIGATOR
河合利恵
|セクシュアリティ講師
愛知県生まれ。長年の看護師経験をもとに、自分らしさを見出すサポートをするセクシュアリティ講師として活躍中。学びの場「Freedom Heart」主宰。
セクシュアリティ講師
これからの時代を創る、「あなたらしさ」に会いに行く
ジェンダーレスやエイジレスなど、さまざまな価値観の境界線が取り払われていくこれからの時代。その流行や新たな取り組みの根源にあるのは、「自分らしさ」を選べる世界を作りたい、という思いです。今回はファッションを軸に、洋服を愛してやまないファッショニスタたちの価値観や、「好き」を突き詰めることの楽しさについてご紹介します。
服を選ぶことは、生き方を選ぶこと
私がセクシュアリティ講師になったきっかけは、バーンアウトを経験したことでした。40歳のときに、仕事も家庭も頑張りすぎてしまったのか、ふと、“自分ってなんなんだろう?私は中身が空っぽだ。”と思ったんです。その時に出会ったのがセクシュアリティの考え方でした。私は現在60代ですが、私たち世代がもつセクシュアリティへのイメージは、「閉ざされてきたもの」という部分が大きかった。でも学んでいくうちに、セクシュアリティを考えることは、どう生きるかを考えることなのだと気が付きました。それと同じように、着るものや身につけるものを選ぶことは、どう生きるかを選ぶこととイコールの関係。体や心はすぐには変えられませんが、洋服は一瞬で意識を変えてくれる魔法のアイテムです。なので、身に纏うものをしっかりと選ぶことは、自分と向き合うためにとっても効果的なんですよ。
アイアムミーなファッショニスタ
“私って、何が好きで、何が苦手なんだろう?” 自分と向き合うことを心の底から楽しみ、唯一無二なコーディネートを生み出す、アイアムミーなファッショニスタたち。自己分析のプロである彼らに、ファッションの世界で見つけた「自分らしさ」についてお聞きしました。
水中花じょうじ
Instagram(@ojo_style)にて、最先端ファッションを取り入れた鋭利なルックを掲載中。
経営するクラブ「水中花」は、世界中からおしゃれな人が集まる名古屋のホットスポットになっている。
じょうじさん:ファッションに夢中になり始めた当時は、音楽にも遊びにも全力でした。気に入った店があると毎日違う服を着て遊びに行っていました。当時はスマートフォンがない時代ですから、海外の雑誌を読み漁って大量のカルチャーに触れていましたね。私がコーディネートの中で大切にしているのは、自分だけの世界観を作り上げること。洋服はブランドに拘らず、とにかく目についたものを直感で購入。世界中のコレクションをチェックして、いいと思ったものは逃さないよう、常にアンテナを張っています。
MACHA
絶妙な色使いと中性的な魅力で、コレクションモードファッションを中心に多彩なアイテムを着こなす40代。1つの洋服をテーマに旅行に出かけ、写真に収めるなど洋服好きならではの楽しみ方を実践中。Instagram(@macha_0124)
MACHAさん:僕が服を選ぶ基準はやはり「自分らしいか」ということ。「誰のためのおしゃれなのか」もよく考えますね。年齢や性別で線を引いてしまうのはもったいないので、いいなと思える気持ちをとにかく大切にしています。最近は、レディスのコレクションにメンズが出てきたり、その逆もあったりして、コレクションに異性が出ることが多いんです。そこにデザイナーのちょっとしたスパイスが入ってることもよくあって。なのでその服が欲しくなることが多いですね。一度買った服は長く着るタイプ。昔のものと新しいものを組み合わせて着ることも多いので、コーディネートがきっかけで若い人たちとのコミュニケーションが広がることもあります。
佐々木レオナルド明男
2022年現在、名古屋モード学園在学中。ブラジルのルーツをもつ22歳。
ポイントメイクを積極的に取り入れるなど、次世代ならではのファッションの楽しみ方を模索している。
長沼あやの
2022年現在、名古屋モード学園在学中。小柄でありながらメンズアイテムを取り入れるなど、抜群のセンスでコーディネートを作り出す次世代ファッショニスタ。
レオさん:僕はデザイナーの個性が現れていて、形が面白いアイテムが好きですね。気に入ったものであれば、レディスもメンズも関係ありません。特に最近はレディスにオーバーサイズが増えているので、比較的身長のある人でも取り入れやすく、コーディネートの幅が広がったと感じています。
あやのさん:服のテイストはモノトーンが多く、シンプルなシルエットやスタイリッシュなものが好みです。メンズのサイズをあえて買ってレディスのアイテムと組み合わせ、自分らしいコーディネートを作ることも。ファッションの世界はフラットに物事を見ている人が多いので、自分らしくいられる場所だなと思います。
レオさん:僕はデザイナーの個性が現れていて、形が面白いアイテムが好きですね。気に入ったものであれば、レディスもメンズも関係ありません。特に最近はレディスにオーバーサイズが増えているので、比較的身長のある人でも取り入れやすく、コーディネートの幅が広がったと感じています。
あやのさん:服のテイストはモノトーンが多く、シンプルなシルエットやスタイリッシュなものが好みです。メンズのサイズをあえて買ってレディスのアイテムと組み合わせ、自分らしいコーディネートを作ることも。ファッションの世界はフラットに物事を見ている人が多いので、自分らしくいられる場所だなと思います。
どの方も個性をお持ちで、感銘を受けますね。じょうじさんは、時代の空気にとらわれずに個性を突き詰めて来られただけあって、まさに見る人にパワーを与える存在。この年代は着飾ることに罪悪感を持つ方もいらっしゃいますが、「好き」を全身で表現されている姿を見ると、ただただ尊敬してしまいます。MACHAさんは、分析力に非常に長けた方だと感じました。自分のことを肯定して表現されているので、服がとても似合っているんですよね。きっと、そういった面が行動にも出てるんじゃないかなと思うんですが、エイジレスでクリエイティブな姿勢がとても素敵です。レオさんとあやのさんは、まさにジェンダーレスな魅力を感じるお二人。服飾の学生さんということもあり、好きなものを自覚しているのがわかります。先輩世代の一人として、次世代の人たちが自由に自分を選択されているのを拝見し、とても嬉しくなってしまいました。
名門ブランドが、ボーダレスな世界をリードする
新時代への探究心の存在が、一流ブランドであり続けられる理由。あらゆる壁を壊していく、名門ブランドのボーダレスコンセプトをご紹介します。
ファッションで世界を広げていく
1972年に山本耀司が手がけた最初のブランド〈Y’s〉では、男性の服を女性が着るというコンセプトのもと時代に流されることのない価値観を表現し、さまざまなラインを展開。50周年を迎える今年は、ユニセックスの商品が数多く企画されます。今回ゲストに着用いただいたのは、メンズのパターンを用いて構成されたジェンダーレスコレクションの〈Y’s BANG
ON!〉、スポーツクラシックやビッグシルエットをベースにした、ユニセックスラインの〈Y’s....〉、通常レディスライン〈Y’s〉の3つのコーディネートです。
〈Y’s〉は大人世代が着るようなイメージもありますが、若い世代が着ている姿を見ると、ジェンダーレスかつエイジレスなブランドであることを再認識しますね。反骨精神から生まれたブランドの世界観が、自身の個性を武器にするゲストたちの雰囲気をさらに引き立てているように感じます。
レオさん:パンツのゆるっとしたシルエットが可愛く、いろんなポイントにボタンがついていて、見え方を変えられる作りに驚きました。ジェンダーレスコレクションなので、どんな人でも着られる工夫があるんですね。
レオさん:パンツのゆるっとしたシルエットが可愛く、いろんなポイントにボタンがついていて、見え方を変えられる作りに驚きました。ジェンダーレスコレクションなので、どんな人でも着られる工夫があるんですね。
あやのさん:〈Y’s〉ならではのオールブラックコーデにドキドキが止まりません。私が着用したトップスの素材は涼しげで、春夏にぴったりでとても魅力的でした。
〈Y's〉Y's 2022年春夏 POP-UP STORE:50th
4月12日(火)→18日(月)
南館1階 イベントスペース
〈Y's〉に在り続ける「黒と白」に焦点を当てた期間限定ショップが登場します。 ユニセックス商品も多数取りそろえた、特別なコレクションをお楽しみくださいませ。
MACHAさん:〈Y’s〉のアイテムは1点あるだけでグッと雰囲気を作ってくれるので、難易度が高いように見えて実は取り入れやすいんです。普段の僕は色を取り入れたコーディネートが多いのですが、比較的シンプルなものを着ることで空気感がバシッと定まって、新しい自分を見つけられたような気がします。
〈Y's〉Y's 2022年春夏 POP-UP STORE:50th
4月12日(火)→18日(月)
南館1階 イベントスペース
〈Y's〉に在り続ける「黒と白」に焦点を当てた期間限定ショップが登場します。 ユニセックス商品も多数取りそろえた、特別なコレクションをお楽しみくださいませ。
アクセサリーのときめきは、世代も性別も飛び越える
1895年の設立以来、卓越したクリスタル・カット技術で、さまざまな世代にジュエリーのときめきを提供してきたスワロフスキーが2021年にリブランディング。自分自身を大胆に表現することをコンセプトに、男女、年齢関係なく楽しめるブランドへ変化を続けています。
インクルーシブやダイバーシティといったキーワードは、これからの世界に必要不可欠なコンセプト。ファッションやアクセサリーブランドから、意識を変えていくアプローチが増えるというのはとても重要なことだと感じています。
あやのさん:大ぶりなアクセサリーは、1点取り入れるだけでコーディネートのアクセントになります。このチョーカーは私のテイストともあっていてとてもしっくりきます。3つセットのイヤリングは、イヤーカフとしても使えてまさにジェンダーレスなアイテム。プレゼントにも良いですね。
レオさん:アクセサリーには気分をあげてくれる無敵感があります。デートとか、映画館とか。華やかな場所につけて行きたいです。
レオさんとあやのさんにおそろいでつけていただいたのは、3つセットで自由に使えるイヤリング。お二人を比較して見てみると、アイテムにそれぞれの個性を引き立てる力があることがわかります。このように、纏う人の個性に寄り添い、魅力を引き出すパワーのあるアイテムが、より一般的なものになるといいですね。
今回は、個性あふれる4名のゲストをお迎えし、ファッションを愛する人として、自分の「好き」を見つけるためのさまざまな考え方について語っていただきました。次回は、人々の心を捉えて離さないジュエリーウォッチや、昨今ジェンダーレスに愛されるパールについてお話しします。お楽しみに。
次回は4月下旬の更新を予定しています。
河合利恵 TOSHIE KAWAI
愛知県生まれ。セクシュアリティ講師・フリーランスナース。「生きる」を学ぶスクール「Freedom Heart」、介護保険対象外の柔軟な生活支援サービス「フリーダムケア・ももい」代表。長年の看護師経験をもとに、いのちと生の視点から、具体的な性の悩みや問題、よりよいパートナーシップに繋げるカウンセリングやセミナーを開催中。人々が自分らしさを見出すための多角的なサポートに取り組んでいる。
※掲載品は2022年3月30日時点の取り扱い商品・価格です。商品の内容や価格は変更になる場合がございます。
※数量に限りがある商品もございますので、品切れの際はご容赦ください。
※予約販売となる商品もございます。
※写真はイメージです。撮影用の装飾品は商品に含まれておりません。