レディスウォッチ vol.1
いま、女性たちが時計に惹かれる理由

岡村佳代|ジュエリー&ウォッチジャーナリスト

今回のNAVIGATOR

岡村佳代
ジュエリー&ウォッチジャーナリスト

女性が身につける機械式時計の魅力を広めた文筆家。時計の聖地スイスで開催される時計フェアの取材歴は、女性ジャーナリスト屈指のキャリアを誇る。

岡村佳代

ジュエリー&ウォッチジャーナリスト

時計専門のムックを執筆したことをきっかけに機械式時計に魅了され、自身も数々の名品を所有するジュエリー&ウォッチジャーナリスト 岡村佳代さん。全3回の連載を通して、職人の技術とメゾンの哲学が息づく時計の魅力と、女性の時計の楽しみ方についてお話しいただきます。

レディスウォッチ時代の幕開け

これまで男性の趣味として描かれることが多かった時計の世界。しかし昨今は、時計にこだわりをもつ女性が増え、職人の卓越した技術から生まれる精緻な作品に多くの人が惹きつけられています。今回は、ビジネスシーンにおけるレディスウォッチの選び方を考えてみましょう。


父がくれた時計との出会い

時計を好きになった原点は、幼い頃に父から買ってもらったセイコーの時計でした。小学校入学のお祝いとして、父に連れていってもらったデパートで選んだキャラクターものの時計。少しお姉さんになった気がして、「大人は時計をするものなんだ」と思いました。以来、いつも年相応の何かしらの時計を持っていて、お出かけには必ず着けていくようになりました。

時計の仕事を始めたのは、20代半ばに女性向けの時計のムック制作に携わったことがきっかけです。もちろんそれまでも「ファッションの一部」として、公私ともにラグジュアリーブランドのウォッチ&ジュエリーに触れてきましたが、時計のムックほぼ一冊を編集&執筆するなんて初めて。当時はクオーツ式と機械式の違いもわからず(クオーツだって機械式じゃないの?と思っていました(笑))知らないことだらけでしたが、新しいことを学びながら仕事をするのは楽しく、そこから少しずつ時計の仕事が増えていきました。 余談ですが、そのムックは世界文化社の「時計Begin」の増刊号のような位置付けのもので、後に「LEON」を立ち上げた岸田一郎氏が編集長。その他の編集者も専門誌の方々なだけあってとてもお詳しく、時計愛溢れる人たちでした。そんな環境で育てていただけたことも、時計の仕事をしたい!と思った大きな理由ですね。

メゾンの哲学にふれる贅沢な時間を

私が原稿を手がけることが多いレディスウォッチは、近年よりスポットライトが当たってきている分野。世界はどんどんデジタル化が進んでいて、正確な時刻はいつでもスマホで知ることができますが、そんな社会において自分の大切な「時」を、職人たちの技術や矜恃が詰まった機械式時計に委ねるのは贅沢なことだと思います。今だからこそ、男女関係なく「腕時計」というアナログなものに心惹かれて、時を慈しむ気持ちもどこかにあるのではないでしょうか。また、時計は他のどんなファッション小物より、着け手のセンスや考え方などのその人自身を語るものです。大人の女性として、自分を語り、気持ちを高める。あるいはお守りのような存在の時計を、人生の節目に「自分へのプレゼント」として選ぶ方が増えています。

ウォッチジャーナリストが愛する時計

今日は、個人的に思い出深い時計を2本持ってきました。 こちらは前述の時計のムックを作った際にひと目惚れし、“いつか欲しい!”と強く憧れた一本です。お恥ずかしい話ですが、当時20代半ばだった私は〈ジャガー・ルクルト〉というメゾンをそのタイミングで知りました。時計そのものの美しさに惹かれたのはもちろんのこと、その歴史にふれてメゾン自体のファンにもなりました。
その出会いから数年後、“今だ!”みたいなタイミングが降りてきまして。30歳そこそこの小娘としてはかなり高価な買い物でしたが、躊躇なく清水ジャンプ!しました。早いものでそれから20年以上経った今も、飽きるどころか、時間を重ねるごとにその魅力に惚れ直しています。これこそが名品ですね。あの頃これを選び思い切って買った自分を褒めてあげたいです(笑)

〈ジャガー・ルクルト〉レベルソ・デュエット ナビゲーター私物

〈ジャガー・ルクルト〉レベルソ・デュエット ナビゲーター私物

こちらは、何年ぶりかわからないほど久しぶりに購入したもので、私が持っている中で一番新しい時計になります。〈ゼニス〉は何度か本社工房にも取材に伺い、その真摯なウォッチメイキングを目の当たりにしました。〈ジャガー・ルクルト〉と同様、メゾンの歴史に強く惹かれたというのも決め手の一つでしたね。
ゼニスの時計をいつか手に入れるとしたら、絶対クロノグラフ(エル・プリメロ)がいいと決めていましたが、フェミニンで程よくリッチ感が漂うこのモデルが発表された時、“これだ!”と。伝統的な正統派クロノグラフのデザイン、インダイヤル、ストラップの繊細で洒脱な色味、そして嫌味のないダイヤモンド使い…。女性としてはマニアックですが、“私の時計はエル・プリメロ!”という自己満足も感じられて、内側も外側も心から気に入っている一本です。

〈ゼニス〉クロノマスター オリジナル ダイヤモンド ナビゲーター私物

ビジネスシーンに自信をくれる時計たち

働く女性の味方となるビジネスシーンに適した時計は、飽きのこない「知性」と「品格」が共存しているものがおすすめ。日々の業務はもちろん、大事なプレゼンや緊張する場面でも自信をくれるお守りのような存在として、お気に入りの1本を探してみましょう。


まずはシンプルな1本を

ビジネスシーンに適した時計をまだお持ちでなく、“何を着ければいいのか迷う…”という方は、シンプルなデザインのものを選んでみてはいかがでしょうか。

〈グランドセイコー〉のエレガンスコレクションは、シンプルだからこそ、完成度の高いデザインの美しさや、細部にまで息づくこだわりが際立つエレガントな佇まい。繊細な表情を湛える文字盤のパターンは、古来から親しまれている麻の織り方からインスパイアされたもの。まさに『日本の美意識』を映し出した〈グランドセイコー〉ならではのタイムピースです。

〈グランドセイコー〉エレガンスコレクションSTGK007 税込660,000円[松坂屋南館8階にて仮設営業]

〈グランドセイコー〉エレガンスコレクションSTGK007 税込660,000円[松坂屋南館8階にて仮設営業]


こちらは近年、洗練度を増し続ける〈オメガ〉を象徴する、クール&フェミニンなコレクション。デフォルメされたローマ数字インデックスや、アシンメトリーに、流れるようにセッティングされたベゼルからラグのダイヤモンドが、モダンなリッチ感を演出。このニュアンスのあるグレーをはじめ、ストラップの洒脱なカラーバリエーションも魅力です。

〈オメガ〉428.18.39.60.05.001 SS DE VILLE TRÉSOR QUARTZ 39MM 税込715,000円[松坂屋南館8階にて仮設営業]

〈オメガ〉428.18.39.60.05.001 SS DE VILLE TRÉSOR QUARTZ 39MM 税込715,000円[松坂屋南館8階にて仮設営業]


強さを引き出す「ビッグフェイス」を取り入れてみよう

シンプルな時計はすでに手元にあるという方は、新たにビッグフェイスを取り入れてみてはいかがでしょう。女性からの人気が上昇中のビッグフェイスは、ビジネスシーンにおいても、しなやかな強さを秘めた「かっこいい自分」を演出してくれる時計です。実は大ぶりの時計って、手首を華奢に見せる効果があるんです!タフで存在感のある時計が、かえって「女性らしさ」を演出するという逆説的な効果をもたらすというのも、グッとくるポイントですよね。女の子は女の子らしくという風潮がなくなってきた昨今では、ある日は女性らしく、ある日はマスキュランに。と時計を使ってその日なりたい自分を演出するのも良いかもしれません。


男性時計ファンから強く憧憬を集める、〈IWC〉のフラッグシップコレクションの中で高い人気を誇るこのクロノグラフは、グラマラスながらも無駄を削ぎ落とした「引き算の美学」によって、シュっと引き締まったハンサムウーマン・ウォッチに。世界の第一線で活躍するファッション関係者の女性に愛用者が多いことからも、そのシャープなセンスが伺えます。

〈IWC〉ポルトギーゼ クロノグラフ IW371606 税込951,500円[松坂屋南館8階にて仮設営業]

〈IWC〉ポルトギーゼ クロノグラフ IW371606 税込951,500円[松坂屋南館8階にて仮設営業]


今回は、昨今女性たちにより求められるようになった時計の魅力や、ビジネスシーンでの粋な取り入れ方についてご紹介しました。ウォッチメゾンの哲学を纏うロマンについて、思いを馳せる楽しさを感じていただけたでしょうか?次回はレディスウォッチのトレンドとその楽しみ方についてお話しします。お楽しみに。


次回は7月下旬の更新を予定しています。

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北館GENTAのさらなる進化
新感覚の時計・宝飾フロアが誕生!

2022年7月6日(水)、松坂屋名古屋店の時計・宝飾フロアがリニューアルオープンします。売場面積をおよそ倍の約1200㎡へ拡⼤し、⾼級時計にふさわしいラグジュアリーさはそのままに、⽊の素材感を⽣かしたインテリアや観葉植物が息づく開放的な空間へ。フロア中央には「ウォッチテラス」を配置し、休憩スペースに加え「ライブリペア」スペースを新設。時計修理⼠の精巧な技術が光る作業風景をエンターテインメントとして展開します。ロレックスなど⼀部ブランドを⽪切りに順次オープン予定の「GENTA the Watch」。進化する時計サロンをぜひお楽しみください。

詳細はこちら>

岡村佳代 KAYO OKAMURA

東京都出身。大学在学中から『JJ』などで執筆活動を開始。その後フリーランスとなり、『LEON』、『STORY』の創刊に携わり活躍の場を広げ、時計専門のムックの編集・執筆に携わったことをきっかけに時計の世界に開眼。女性に機械式時計の魅力を啓蒙した第一人者として、バーゼル&ジュネーブの時計フェアの取材歴は女性ジャーナリスト屈指のキャリアを誇る。一方でグルメや旅行にも並々ならぬ熱意を注いでおり、豊富な知識と遊び心を持ち合わせた文筆家でもある。

※掲載品は2022年6月30日時点の取り扱い商品・価格です。商品の内容や価格は変更になる場合がございます。
※数量に限りがある商品もございますので、品切れの際はご容赦ください。
※予約販売となる商品もございます。
※写真はイメージです。撮影用の装飾品は商品に含まれておりません。