ファインアートコレクション|松坂屋名古屋店
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18「野竹」 共シール 10号 1969年東京美術倶楽部鑑定委員会鑑定証書「紅梅」 共シール 10号東京美術倶楽部鑑定委員会鑑定証上村松篁 (1902~2001)上/描かれているのは、二羽のミヤマホオジロ。現在野鳥の一般家庭での飼育は禁止されているが、かつてはオオルリなどとともに「和鳥四品」として愛玩される鳥であった。本作は1969年、松篁67歳の作品。前年に京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)教授を退官、制作に専念できる環境となった落ち着きも画面からは感じられる。『上村松篁画集』(1990年・求龍堂)所載。下/花を写生しながら、その時近くで鳴いていた鳥の名前を書き込むことがあった、という松篁。描く花と鳥の組み合わせを常に考え、その花の開花日を気にかけていた。動く鳥よりも、動かない花の方が枯れたり萎んだりするため難しい、とも語っている。紅梅の赤とウグイスの緑の呼応が美しく、松篁作品の魅力を存分に伝える作品である。

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