ファインアートコレクション|松坂屋名古屋店
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29「彷徨」 8号 1981年レゾネNo.254有元利夫 (1946~1985)安井賞特別賞から三年後の1981年、有元は安井賞を受賞、本作はこの年に制作された。有元の作品では、画面に登場する中性的な人物像の手に何かをさせている場合が多い。ある時は手品のような仕種、またある時は笛を吹き、布切れをはためかせていたり・・・。「彷徨」とは、あてもなくさまよう意味である、とすれば、画中の人物はむしろ飄々と歩く様子に見えなくもない。左手からふりまかれる金の粒子は、静かなエネルギーの放散のようでもあり、有元のその後約三年で終わる短い画業へ思いが至る作品である。「おめざめ」 2号大藪雅孝 (1937~2016)

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