タイムレスなデザインが魅力の
ヒロフのペルーシェ。

文/天野 志穂
2021/2/22

HIROFU

ヒロフ

上質なおしゃれの鍵を握る
「名脇役」のハンドバッグ。

春になるとおしゃれも一新したくなりますよね。なかには、社会人スタートや転職など、新しいステージを迎える方もいらっしゃるかと。そんなとき、気分を新たにするため、バッグを着替えるというのもひとつの手だと思います。せっかくなら新しいことにチャレンジする自分の気持ちと、自分のスタイルに寄り添ってくれるものがいい。「ヒロフ」はそんな方に、ぜひおすすめしたいブランドです。

メンズシューズのブランドとして1977年にスタートした「ヒロフ」は、日本のレザーブランドです。1990年に発売された「バケッタ」シリーズのバッグが転機となり、レディスのレザーブランドとして広く知られるように。創業以来「シンプル・ミニマル・コンテンポラリー」をコンセプトに、トレンドに左右されないモノ作りを徹底して心掛けているとか。日本で企画された商品は、より良い素材と技術を求めてイタリアで生産を行っています。ブランドの方にお話を聞いて特に印象的だったのが、「ヒロフ」のバッグは主役ではなく、スタイルを持つ人のための「脇役」であり、それは持つ人を引き立てることのできる逸品のことだという、ブランドの矜恃。“映え”を競う今の時代に、自ら「脇役」とはなかなか言えないものです。

今回ご紹介する「ペルーシェ」のハンドバッグは、まさに「名脇役」。2014年に発売されて以来、シンプルかつベーシックなデザインで、定番とされるシリーズです。ハンドルの根幹部分はステッチを見せない縫い割と呼ばれる縫製技術を駆使することで、全体的にふっくらとしたソフトな印象に。外見にはメタルを一切あしらっていないので、クラシックで上品な佇まいが魅力です。上質な素材とタイムレスなデザインにこだわり、控えめながらその人のおしゃれにそっと寄り添ってくれる「ペルーシェ」。何より、開閉しやすいマグネット仕様や肩掛けもできるハンドルの長さ、傷が比較的目立ちにくく使うほどになじむレザーなど、使う人のことがよく考えられているという点が、デイリーに長く愛用したくなる理由かもしれません。普段の装いにだけでなく、ブラックならフォーマルに、ダークグレーやグレージュなら和装にも。この春は「名脇役」を味方に、自分のおしゃれのスタイルを確立するなんていうのもいいですね。

ヒロフのバッグのシグネチャーでもあるHの刻印。ハンドルの根幹はステッチを見せない縫製で柔らかさを演出しているのも「ペルーシェ」ハンドバッグの特徴。

自然なシボで革本来の手触りを楽しめるソフトバケッタ素材を採用。コバの処理やステッチも丁寧で、どこから見てもエレガントで美しい仕上がりに。

ヒロフ

ペルーシェ 各・税込82,500円

/南館地下2階

※数に限りがございますので、品切れの際はご了承ください。

ファッションエディター

天野 志穂

Shiho Amano

1973年神奈川県生まれ。上智大学卒業後、婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。雑誌『Vingtaine』、『ELLE Japon』のファッション担当を経て、2013年渡英。2018年に帰国した後、フリーランスとして活動。雑誌やWEB、広告などでディレクション、編集、執筆を行う。