「百貨店を通して豊かな文化を地域に還元する」を目的に2017年に連携を開始した松坂屋名古屋店と名古屋大学。このサイトでは、包括連携5周年記念コラム“みらいトーク”をはじめ、知的好奇心をくすぐるコンテンツをご紹介します。

子どもたちが抱く未来への疑問に、
名古屋大学の先生が答えます!

みらいトークでは、子どもたちがもつ
「未来の〇〇はどうなるの?」
といったギモンを聞くためオンライン座談会を開催。
子どもたちならではの素直な発想から豊かなギモンが生まれ、
大人も気になる未来への『?』が、たくさん出てきました。

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01

#_宇宙

宇宙で新鮮なお刺身を
食べることってできるの?

Q.宇宙で新鮮なお刺身を
食べることってできるの?

名古屋市 ともひろさん(小学3年生 取材当時)からの質問

地上では当たり前にできることも、宇宙では簡単にはできないことがたくさんあります。
逆に、地上では難しくても宇宙では簡単にできてしまうこともあるんです。
普段の生活ではなかなか想像できない宇宙でのくらしを、様々な角度から見てみましょう。

答えてくれる先生

竹内 努(たけうち つとむ)先生

名古屋大学 大学院理学研究科 准教授

名古屋大学にある「銀河進化学研究室(Ω研)」にて、宇宙にある銀河が生まれたときのことと、銀河が生まれてからどうやって今の姿に進化したのかを研究している宇宙博士。

4段階でみる未来の宇宙生活

新鮮な魚を食べる方法をトコトン考えてみよう

「お刺身を食べられるか?」というのはとても具体的で、おもしろい質問ですね。宇宙での食生活についてですが、そもそも宇宙に「住む」ということにも幾つかの段階があります。短い時間だけ宇宙に滞在することから、地球での私たちの暮らしを宇宙で行うまで、「住む」というレベルによって食べられる物の種類も変わります。ともひろさんの質問に4つの段階を追って考えていきましょう。

第1段階 宇宙ステーション
意外とおいしい?進化する宇宙食

はじめは、すでに存在している宇宙ステーションで食べる食べ物についてお話しします。「宇宙食」と聞くと、サプリメントやゼリーのような味気ない食事を想像して、あまりおいしくないのでは?と思うかもしれませんが、実は宇宙ステーション内には電子レンジがあり、お湯を沸かすこともできるんです。なので、飛行機の機内食やコンビニ弁当くらいのものは今でも食べることができます。できたての食事は難しいのですが、乾燥させたり、冷凍した状態の食品を地球から持っていけば、おいしく食べることができるんです。ちなみに宇宙食は、名古屋市科学館などのいくつかの科学系教育施設で買うこともできますよ。

第2段階 月面基地
重力があれば魚は育つ?

次は月面基地での食生活について考えてみましょう。はじめて地球の外で生活してみよう!となったとき、私たちはまず「月や火星に基地をつくる」ことになります。しかしながら、月も火星も地球とは重力が違うし、太陽が出ている時間や日光の強さも全く違います。しかも、お刺身を食べるとなると、魚にとって最も大切な水がありません。地球から別の星に大量の水を運ぶのは気が遠くなるほど大変なため、この時点では地球と同じようなおいしい野菜を作ったり、食べられる魚を育てたりすることは、まだ難しいでしょう。

スペースコロニー(イメージ図)

第3段階 スペースコロニー
お刺身への大きな一歩

3段階目でも実現にはまだまだ時間がかかりますが、「スペースコロニー」が建設されるとお刺身にはかなり近づきます。スペースコロニーとは、宇宙に全長数十kmの空気と土、水を閉じ込められる巨大なカプセルのようなものをつくり、それを回転させることで重力を生み出して人が住めるようにする、というアイデアのことをいいます。地球と同じような重力が得られるので、野菜や魚を育てられるし、牛や豚などの飼育も可能になります。では、お刺身はどうでしょう?マグロなどのおいしいお刺身の一部は広い海を泳いで筋肉をつける回遊魚です。スペースコロニーは地球と比べると、面積がとても小さいので海も小さくしか作れません。そのため、泳ぎ回って筋肉が育たないため最高級のマグロは食べられませんが小さな海でも育つカレイなどの白身魚は食べられるようになるでしょう。

第4段階 ダイソン・スフィア
いつかは現実に!遠い遠い未来のくらし

では最後の4段階目に、研究者にとっても、まだまだ夢のような宇宙での暮らしをご紹介します。「ダイソン・スフィア」という考え方のお話です。これは、惑星系の岩石をすべて使って、太陽のまわりを囲む大きな大きな殻を作り、ものすごく広い住む場所を作るというアイデアで、フリーマン・ダイソンという人が考案しました。
ダイソン・スフィアでは、地球より何倍も大きな海を作ることができるため、地球でできることは全てできるようになります。そうなれば、やっとマグロのような回遊魚のお刺身が食べられるようになりそうですね。

いろいろな波長の光で見た銀河の姿

ここまで、お刺身と宇宙について具体的に考えてきましたが、じつは私が研究していることは今回のお話とはずいぶん違っています。

私たちの住む地球や、その周りにある星が生まれたずっと昔のことと、それから星たちがどうやって作られ、銀河を形づくったかを調べています。宇宙の始まりには地球が無かったように、私たち人間も宇宙の星くずを材料に作られました。したがってこの研究を進めることで、人間の生命の本当の始まりについて知ることができるのです。このように、宇宙には人々を夢中にさせる不思議がたくさんあります。もし、もっと宇宙のことを知りたいと思ったら、図書室の本やタブレットを使って調べてみてはどうでしょう?ちょっと難しいけどとっても楽しい世界が広がっているはずですよ。

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02

#_自然

地球温暖化のせいで
台風や豪雨が増えるってほんと?

Q.地球温暖化のせいで
台風や豪雨が増えるってほんと?

名古屋市 りくさん(小学3年生 取材当時)からの質問

様々な場所で耳にする地球温暖化。地球がこれから先もっと暖かくなると、私たちの暮らしは大変なことになるかもしれません。
未来の自然環境について、台風予報の視点から詳しく見てみましょう。

答えてくれる先生

坪木 和久(つぼき かずひさ)先生

名古屋大学 宇宙地球環境研究所 教授

名古屋大学にある「気象学研究室」にて、強い台風から日本を守るための研究として、飛行機に乗って台風の目に飛び込む勇気あふれる台風博士。

地球温暖化からみる、これからの台風

この先の未来で、地球がこわれちゃう!?

雨が強くなると、川があふれて町が水浸しになったり、土砂崩れが起きたりしてとってもキケンですよね。今回は地球温暖化の正体は何なのかと、私が研究している台風予測がこれからの未来にどう役立つのかをお話しします。

そもそも地球温暖化って、何でしょう?

みなさんも学校の授業で学んだり、ニュースで見たりしたことがあると思いますが、地球温暖化とは二酸化炭素が増えて地球の温度が上がることをいいます。地球は大気という膜(まく)で包まれていて、そのおかげで生き物が住みやすい温度になっているのですが、その膜の中にある二酸化炭素があまりに多くなると、今度は暖かくなりすぎて地球がずっと高熱を出しているような状態になってしまいます。

世界が暖かくなるとどうなるの?

50年後には地球の平均気温は1〜4℃上がり、日本の気温はそれよりもう少し高くなると言われています。私たち人間が熱があるときにいつも通りの生活ができないように、地球も温暖化が進むと様々な問題が起こります。例えば「地球の冷凍庫」とも言われる北極ではもうすでに氷が解け始めていて、シロクマなどたくさんの生き物が住める場所がどんどん無くなっているんです。また、北極圏の大地が凍ったのは遠い昔のため、それが解けるときに未知のウイルスが一緒に出てきて、新型コロナウイルスのように世界中に広まる可能性もあります。こういったことがあるから、地球温暖化は人間にとって大変な問題だと言われています。

暖かい地球が、巨大な台風を生み出す

地球温暖化の正体が分かったところで、ご質問の「地球温暖化が進むと台風や激しい雨が増えるのか」についてお答えします。分かりやすく言うと「地球温暖化のせいで台風の数が増えるというよりは、パワーが強くなっていく」ということになります。
地球の温度が上がって海が暖かくなると、激しい雨を降らせる積乱雲(せきらんうん)という雲のもとになる水蒸気が増えるので、台風にもっとパワーがついて雨風がどんどん強くなります。

雲の上から海まで落として台風の強さを測る器械「ドロップゾンデ」

みんなを守れる台風予報を

このような理由で、地球温暖化が進んだ未来では台風による被害が大きくなります。厳しい環境の中で命を守るために大切なのは、正しく避難すること。今の日本では、台風予報が当たらないこともあるため、「大丈夫だろう」と思って避難しない人がたくさんいます。そして、本当に大きな台風が来たときに命を落としてしまいます。みなさんの大切な家族や友達を守るために、正しい予報を出せるようにしなくちゃいけない。そういった思いで私は台風の研究を始めました。
それから私が取り組んでいるのは、台風の真ん中にある「台風の目」に入り、雲の上から器械を落として直接台風の強さを測る研究です。文章で書くとかんたん簡単にできそうですが、みんなの暮らしを脅(おびや)かす台風のど真ん中に入るわけですから、とっても勇気のいる研究でもあります。

ジェット機から見たスーパー台風「ラン」の台風の目(2017年10月撮影)

研究のために初めて飛行機に乗ったのは2017年。その時は台風の目には入らずに台風の周りを観察するだけの予定になっていましたが、コックピットに乗っていた先生とパイロットが相談して、なんと台風の目に入ってみることに…!あまりに急だったので、それから大慌(あわ)てで観測の準備をしました。雲の中を抜けている間は窓の外が真っ白で、すごく暗かったです。でもいざ雲を抜けて台風の目の中に入ると、それまでガタガタ揺れていた飛行機がピタッと収まって、それから一気に青い空が見えました。鳥肌が立ちましたね。
それ以降も台風を観測しましたが、実際にニュースになっている台風予測と比べるとかなりズレがありました。やはり直接測ってみることが大切だと分かって、嬉しかったですね。将来はパイロットも研究者もなしで、自動で観測ができるようになればいいなと思います。

台風の強さをコントロールできるように

私が次にやりたい研究は、台風に直接何かをばらまいて、雲の性質を変えて台風を弱くするということです。台風の勢いを少しでも弱めるだけで建物の被害が大きく減らせることが分かっているからです。この先、温暖化が進む地球で台風が強くなることは変えられませんが、それでも明るい未来にしていくために、正しい予測をしてきちんと避難ができるようにしていきたいです。

地球温暖化がどうして問題なのか、そして、災害が起こりそうなときの避難がどうして大切なのか、少しずつ分かってきましたか?次の台風が来たときはぜひ、ニュースの予報に注目してみてくださいね。

2017年10月 スーパー台風「ラン」への観測飛行記録(赤い線が実際の飛行経路です)
画像提供:琉球大学 山田広幸 准教授

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03

#_学校・教育

将来、学校の先生は
AIロボットになるの?

Q.将来、学校の先生は
AIロボットになるの?

名古屋市 ともひろさん(小学3年生 取材当時)からの質問

この先の未来では、ロボットの先生の授業を受けることになるかもしれません。現在、人間の先生はどんな仕事をしていて、それがロボットになったらどうなるのでしょうか?時にはやさしく、時にはこわ〜い先生のミライを見てみましょう。

答えてくれる先生

坂本 將暢(さかもと まさのぶ)先生

名古屋大学 大学院教育発達科学研究科 准教授

名古屋大学にある「教育発達科学研究科」にて、学校の授業を面白くて分かりやすくするために、どんな工夫をすればいいのかを研究している教育博士。

人間の先生がもつ大切な役目とは?

これはとっても近未来的な質問ですね。約40年前、私がともひろさんくらいの頃にも、そんな時代が来たら面白いなと思っていました。近い将来、AIの先生が登場するでしょう。でも、全ての先生がAIに変わるわけではありません。なぜなら、先生の役割は教科書の中身を教えるだけではなく、人生のセンパイとしてともひろさんのようなみなさんに生き方や考え方を教える役割もあると考えているからです。私たち人間が成長するタイミングは、頑張りたいと思うことが見つかって、どんどん努力をしていくとき。だから、学校の先生はみなさんに「自分はどんな人なのかな?」と考えてもらう、きっかけをつくるのも仕事の一つなんですね。

授業は先生と児童生徒が一緒に作り上げることが大事

先生という仕事に向いている人は、みなさんをよーく観察し、悲しいときは一緒に泣いて、うれしいときは一緒に喜ぶことができる人です。そして、ちょっぴり不安を感じてくれる人であることも大切です。「みんなに分かりやすく教えられているかな」と思いやる気持ちがあると、誰かの様子がいつもと違うときにすぐに見つけられるからです。でも、みなさんのことに気持ちが向きすぎて、教え間違いをすることもあります。これは人間の先生ならではのミスですね。先生がAIになったら間違いはなくなりますが、人間の先生のように生徒の顔を思い浮かべながら授業をするのはちょっと難しいかもしれません。人間とAIの先生がそれぞれの得意なところを補いながら勉強を教えるような仕組みになればいいなと思います。

好きな授業を選べる未来に

未来では、学校に通う人も通わない人も、今よりもっと自由に学校や学び方を選べて、勉強ができるようになるでしょう。病院で授業を受けられる院内学級(いんないがっきゅう)のように、インターネットを使って学校とつながることで、色々な理由で学校に通わない・通えない人でも豊かに学べるようになります。また、教科書を使う勉強とはちょっと違った学び方で、ひとつのことを考え抜く力をつける人も増えるでしょう。そうなると、リアルの学校でしかできないことは、薬品を使った実験など特別な用意が必要な授業や、遠足や運動会などのイベントになります。こういうときだけ、みんなが学校に集まるのもいいかもしれませんね。

先生の動きがもたらす授業の躍動感

ここからは、私の研究についてお話しします。私が調べたのは「授業中に先生がどんなふうに動いているのか」ということです。

画像①は、先生をめざす人が授業を練習する様子を録画したもの(左)と、そのときの左右の動きをグラフにしたもの(右)です。一番右のグラフだけギザギザがとても細かいですが、これは中学校で数学を教えている本物の先生の動きです。本物の先生は生徒が学んでいる様子をしっかり観察しているので、動きが多いんですね。グラフは左から右にかけて、練習回数が増えていきます。こうして見てみると、練習を重ねるごとに動けるようになっているのが分かりますね。
先生は、ただ左右に動いているのではなく、児童生徒の様子をいろいろな角度から見たり、ノートを確認したりして、さっき話したように授業を一緒に作っているのです。

ここで一つ豆知識をお伝えすると、黒板の書き方には実は、先生たちの工夫があります。それは「一つの授業では、黒板一枚だけを使う」ということです。そうすると、生徒が授業を少し聞きそびれても黒板に書いていることを追えば、クラスで何について話し合っているのか分かりますよね。この工夫だけでなく、先生たちは分かりやすい授業をするために、文字やグラフを黒板のどこに書くのか考えながら授業をしています。先生の黒板の使い方にも注目してみると、いつもより授業が面白くなるかもしれませんよ。

私が教育に興味を持ったのは、先生の話を聞いていないと思っていたクラスメイトが、突然手を挙げて、誰にも思いつかない面白いことを発表したことがきっかけでした。それまでは、「学校=勉強する場所」だったのですが、「学校=クラスメイトのアイデアを聞く場所」「学校=クラスメイトの考えを手がかりに、さらに考える場所」に変わったのです。そういうことも大事にしながらロボットやAIの力を借りることで、児童生徒がさらに豊かに考えて生き生きと学ぶことのできる場所になることを願っています。

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04

#_エネルギー

未来には、地球を救う
エコな発電方法があるの?

Q.未来には、地球を救う
エコな発電方法があるの?

名古屋市 かんたさん(小学5年生 取材当時)からの質問

これからの未来でとっても重要になるエネルギー問題。環境に負荷をかけない大規模な再生エネルギーを思い浮かべる人も多いと思いますが、コンセントも電池も使わずに小さな電気を生みだし、生活を便利にするテクノロジーについても考えてみましょう。

答えてくれる先生

大野 雄高(おおの ゆたか)先生

名古屋大学 未来材料・システム研究所 教授

名古屋大学にある「未来材料・システム研究所」にて、体温や摩擦(まさつ)などの小さなエネルギーを使って、人々の生活を便利にする方法を研究している電気博士。

未来の地球を救う、小さなエネルギーの使い方

小学校5年生でこういった問題を考えているとはすごいですね。これからの未来では、テクノロジーが進歩して必要な電気量が増えるにもかかわらず、その電気を作る材料が少なくなったり、石油などの化石エネルギーの使いすぎで地球温暖化が進んだりすることで、私たちの生活がピンチになる危険があります。ご質問いただいた「地球を救うエコな方法」が必要な理由はそこにあります。現在では色々な再生可能エネルギーの開発が行われており、そのメインとなっているのは太陽光発電です。いかにコストを抑え、効率よく発電できるかという研究が進められています。そのような大量の電気を生み出す研究に対して、私の研究では、身のまわりのエネルギーから小さな電気を生み出すことで化石エネルギーを節約し、ムダづかいを減らすことを目指しています。今回はそういった視点から、地球を救う方法を考えていきましょう。

人間の動きを電気にする技術

節約は我慢するものだと考えがちですが、私が研究している「エネルギーハーベスティング」という技術では、化石燃料を使わずに電気を生み出し、人々の暮らしを快適にすることができます。エネルギーハーベスティングとは、人間が歩くときの「ゆれ」や「体温」のような小さなエネルギーを電気に変える技術です。私たちの社会には、まだ使われていないエネルギーがあらゆるところに隠れているため、それを使って世の中を便利にしていこうと考えています。

では、小さなエネルギーが実際にどんなものなのか見てみましょう。これは、人が手を叩くとその摩擦(まさつ)で発電して、手袋についているライトが光る機械です。

手袋型発光デバイス

みなさんも一度はやったことがあると思いますが、下敷きを頭にこすりつけると髪の毛が逆立って、静電気が見えますよね。ここではその仕組みを使っています。手袋は静電気が起きやすい素材でできていて、パンッと両手を叩くと静電気がシートに流れ、その電気でライトが光るようになっています。これが「手を叩く」という小さなエネルギーを使った発電なのです。

そして、この仕組みを応用した分かりやすい例がスマートハウスです。部屋に入るとその振動でセンサーが反応して自動でライトが光るなど、家の中のものを自動化することで、電気と、人間がスイッチを押すエネルギーの両方を節約できます。また、電池やコードがいらなくなることで、電池交換や配線の手間を減らすことができるんですね。

患者さん自身のエネルギーで動くパッドのイメージ

この技術は、病院でも活躍します。心臓の鼓動をモニタリングする心電図のような、体にくっつけて使う機械を患者さん自身の体温や振動で動かすのです。いろんな理由で医療機器を24時間体につけている患者さんは、電池やコードがついている硬い機械に大きなストレスを感じます。そこで、患者さん自身を電源にできるパッドを作れば、モニター用の硬い機械を、柔らかくて体になじむシールのような素材に進化させることができるのです。このように、エネルギーハーべスティングは快適さと省エネをどちらも実現できて、アイデア次第で無限の可能性がある技術なんですよ。

名古屋大学 未来材料・システム研究所 大野研究室にて

私が電気に興味を持ったのは父がきっかけでした。小さい頃、父が壊れたおもちゃを分解し、そこからモーターを取り出して電池をつけて、こんなふうに動くんだよ、と見せてくれたんですね。それからは、家中のいろんなものを分解して遊ぶようになりました。分解することで、機械が動く仕組みを知ることがとっても面白かったんです。分解しすぎたことで両親に怒られたことはなく(もしかすると、私の見えない所では怒っていたのかもしれません…)、小さい頃の興味を応援してくれたことはとてもありがたかったですね。これからも当時の好奇心を忘れずに、研究を進めていきたいです。

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